今回、地元の川口兄弟の陰に隠れているが、このコラムの常連、不破将登が走っている。3日目は点数上位ながら、弟子の長屋秀明に岸田剛の番手を譲って、はっぱをかけるが惨敗。意気消沈して、吉田有希をさらに老けさせた感じとなった。

ヤマコウはベテラン志智俊夫の奮戦に期待する
ヤマコウはベテラン志智俊夫の奮戦に期待する

準決10Rは大ベテランの志智俊夫が3着と健闘し、11Rは山口拳矢が1着に入った。岩井芯の先行を斎木翔多が番手で粘る苦しい展開だった。外並走から新田祐大の番手に切り替え1着。厳しい展開をよくしのいだ。

俊夫もよく伸びた。54歳でG3決勝進出は価値がある。飛び抜けた脚力や戦法があるわけでもない。そこにあったのは、自転車好きということだけだ。私が43歳でグランプリが取れたのは、俊夫が体の使い方のトレーニングを勧めてくれたからだ。まだ、そんなことに取り組む選手はいなくて、周りから不思議な目で見られていた。しかし、それで感触が一気に良くなった。俊夫には感謝している。

富山共同通信社杯で、駐車場でたまたま俊夫と会った。車を見ながら散歩している感じだったが、遠くから見てもすぐに俊夫だと分かった。年齢を重ねると、いつまでも上位で走れるわけではないので、周りに振り回されず自分自身に向き合いたくなる気持ちは分かる。

いつも断らない彼が、一度だけ断ったことがある。夜の10時に「サウナに行くぞ」と電話したら「本当に嫌でした」と振り返る俊夫が、拳矢との連係で優勝を目指す。地元の意地を見せてほしい。