競輪の基本は位置取りである。それに沿って忠実に走ったのが、準決10Rの木村皆斗だった。位置がなければ奪いにいく。この姿勢がレースに緊張感を与える。嘉永泰斗も「木村に中団を取られてなるものか」とインを追い上げ、並走の末に木村が踏み勝った。この負けられない気持ちがレースを面白くする。
立場は違えど、同11Rを走った犬伏湧也、寺崎浩平、菊池岳仁も、先行選手として負けたくない気持ちがレースに出た。打鐘では寺崎を菊池がたたく展開。しかし、寺崎は番手が古性優作ということもあり突っ張った。一番ピッチが上がった時に犬伏は仕掛ける。打鐘タイムは11秒5で突出した時計ではなかったが、最終ホームからバックのタイムが10秒7。「めちゃきつかった…」と大きく肩で息をしていた。
番手の松本貴治は「ここで行けるんだ…」と驚きながら付いていた。「ちぎれる展開だけど、付いていけたから調子はいいと思う」と無表情で答えながらも、手応えは感じているようだ。
決勝は犬伏-石原-松本と並ぶ。準決12Rの石原は、脇本勇希に警戒されながら最悪の展開でカマした。「出させてくれないのかなと思った」と振り返る様子が、のんびりした口調で伝わりづらい。しかし、決勝は犬伏の番手を回るので「プレッシャーで寝られない」と緊張感はあるようだ。
層が薄い四国を支えてきたのが松本で、それを花開かせたのが犬伏や石原である。決勝は石原をアシストしながら結果を出すことがテーマだ。(日刊スポーツ評論家)























