貞兼淳二(47=福岡)が、準優11Rで2着に入り、19年3月23日の桐生一般戦(6枠=3着)以来、およそ1年6カ月ぶりに優勝戦へ駒を進めた。

得点率7・43で予選を5位通過。準優11Rでは、2コースから1Mを差してバックに抜けたが、インの池永太までは届かない。この間に、3コース発進の江夏満が2番差しを選択。そのままバックストレッチで、内側から艇を伸ばした。追いつかれた外側の貞兼は、2Mで握りマイ。これに対し、江夏は小回り旋回を狙ったが貞兼が競り勝ち、そのまま2着でゴールした。

「いつも準優で失敗していたから、今日は自分自身にプレッシャーをかけていった」。貞兼は興奮を隠しきれない様子で、レースを振り返った。

「回り足や伸びを含めて、準優が1番いい状態でしたね。乗りにくさはあるけど、これで我慢して(優勝戦も)いきます。上位の次で、十分に戦える。行き足もしっかりしているので、スタートがしやすい」。相棒6号機をねぎらった。

今節は“オール福岡選抜戦”だけに、地元について聞いた。

「僕は宗像市の出身。いまは小倉(北)に住んでいるけど、田舎の人間には大き過ぎず、ちょうどいい街です。博多も大きくていい街だけど、博多にはない良さもあるんですよ。例えば、小倉のラーメンは、久留米系なんですけど、すごくおいしい。うどんもなかなかです。それより何より、人柄のいい人が多いところが好きなところです」。

最終日12R優勝戦は4枠に座る。スロー勢が激しい攻防戦を繰り広げると、貞兼に出番は到来する。

通算成績は13度の優勝。芦屋は03年4月に優勝を飾った水面で「相性もいいし、好きな水面」だ。14年3月2日の宮島の一般戦以来、6年6カ月ぶりの優勝へ向けて、静かにそして虎視眈々(たんたん)と牙を研ぐ。