佐藤摩弥(31=川口)が女子オートレーサー初のG1制覇。歴史的瞬間を、先輩オートレーサーの森且行(49=川口)はどのような思いで見届けたのだろうか。17日は住之江ボートでトークショー。その合間に、佐藤に関する取材を申し込むと、快諾してくれた。

「摩弥はここ1年ですごい体を鍛え上げた。体重をすごく落として、かつ鍛える。相当つらい思いをしてると思う」。焼き肉にステーキ…。以前はよく一緒に食事をしたが、最近はその機会がないという。「誘えなくなりました。そういう雰囲気がある。彼女は炭水化物を取らない。決められた食事を常にしているみたい」。

身体検査で体重を量って、「森さん、ここまで落ちました」と言いに来る。1年で10キロは落としたのではないか-。森はその頑張りを見ている。「つなぎ、ぶかぶかですよ。ストイック。それが結果につながっている」。

森は4月6日、負傷から2年3カ月ぶりに復帰。リハビリ中も、佐藤からは激励のラインが届いたという。後輩が懸命に減量をして体を鍛える姿は、森自身の刺激にもなったはずだ。

復帰戦の前にはお守りをプレゼントしてくれた。「なせば成るというお守り。摩弥が旅先で買ってきてくれた。東北の方かな。『なせば成る』を見て、あっ、これを森さんにと思ったらしい。それをつけて復帰戦にいった。で、1着でした」。その後も2~3節は身に付けていたが、お守りが傷んできた。今は、大切にロッカーに保管している。

佐藤は後輩であるとともに、良きライバルだ。「僕は、一緒に走りたくないです。そのぐらい脅威。スタートで行かれてしまうので」。減量でスタートにさらに磨きはかかった。「オートレースは基本、体重が少ない方が有利。そして、ずばり、うまさがある。彼女はいつか、SGを取ると思っている」。

2人の間には約束がある。「先にSGを勝たれたら、もう1人は丸刈りにする」というものだ。20年11月の日本選手権、森はSG初制覇を飾ったが、約束は“据え置き”になったという。「僕が先に取ったけど、さすがに女性だから、今回はいいよって(笑い)。摩弥が取った時にどうしよう。1回目は見逃してもらおうかな。(4月の)オールスターの時もドキドキした(佐藤が優勝戦2着)。勝ったら僕は…。応援するけど、ドキドキしてた」と笑って振り返った。

祝福コメントをお願いすると、「SGも取って、俺を丸刈りにしてくれ。お祝いもしたいですね。ステーキを食べさせてあげよう」と、また笑った。最高の晩さんの席で“約束”についてどのような話がなされたのか-。いつかまた、聞いてみたい。