U-23韓国代表が、敵地でU-21日本代表を破って4連覇を成し遂げた。勝利の瞬間、ピッチ上の選手がガッツポーズで倒れ込み、抱き合い、喜びを爆発させれば、ベンチメンバーも一斉にピッチへ駆け出し、歓喜の渦に吸い込まれていった。
国歌斉唱で、国旗が揚がらないハプニングも関係ない。喜びは衰えない。表彰式の後も、達成感をかみしめた。人生を左右する戦いに、執念で勝ったからだ。
韓国は徴兵制があり、原則18歳以上の男性に兵役が課される。一方でスポーツ・文化で国際的に優秀な成績を収めた場合、兵役法の特例による短縮がある。
世界一を争うオリンピック(五輪)では表彰台(金銀銅メダル)を、アジア大会では金メダルを獲得すれば、完全免除とはならないものの、本来は約2年の兵役が約3週間の軍事訓練参加という代替服務で許される。
長くないサッカー人生。そのうち2年間も兵役で第一線から離れることになれば、公平な国民の義務とはいえ、失うものは大きい。まさに人生が懸かっているため、韓国は本気。今大会も、日本はU-23世代で迎える28年ロサンゼルス五輪を見据えた強化策で、全員21歳以下でチームを編成したが「ガチ」韓国は、大会規定の上限を使う23歳以下で出場。24歳以上のオーバーエージ(OA)3枠もフル活用し、海外でプレーする選手を9人もそろえた。
迎えた決勝。勝てば兵役免除、負ければ、主に欧州からアジアに戻って6試合を戦ったことが、結果として“無駄”になる。死に物狂いで勝ち切り、自国開催だった14年の仁川大会から4連覇を果たした。
これまで、前回23年杭州大会のパリ・サンジェルマンMFイ・ガンイン(李康仁)や、前々回18年ジャカルタ大会でトットナムFWソン・フンミン(孫興民)らが金メダルを譲らず。国を代表して戦い抜き、義務を短縮させた。これがなければ、クラブの理解を得られず派遣されなかったはずだ。
V4に万感。泣き崩れる選手もいた中で、イ・ミンソン(李敏成)監督は「兵役の問題もあって選手には重圧があったと思うが、我慢強く耐えてくれた」と称賛。この大会に、この一戦に勝つか負けるかで2年間か3週間か左右される勝負に打ち勝った。
試合は、この大会3連続のファイナル対決となった日本に前半から攻め立てられたが、韓国が後半16分に一瞬の隙を突いた。イングランド・チャンピオンシップ(2部リーグ)で首位に立つスウォンジーの24歳、MFオム・ジソン(厳志成)が決勝点。通算4得点4アシストで頂点に導いた。

