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【アカデミー賞】 「英国王のスピーチ」4冠

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JT Thunders & JT Marvelous コラム

新主将徳元が目指す4度目の正直

優勝への思いを語る徳元
開幕前、悲願の優勝への意気込みを語る徳元

 ゴードン・メイフォース監督就任2年目のJTサンダーズ。過去3シーズン逃している4強入り、そして初の優勝を目指す今シーズン、新主将としてチームを引っ張るのは、入社11年目のウイングスパイカー・徳元幸人だ。

 サーブレシーブ賞に輝いたこともある正確な守備。身長186cmと上背はないが、スピードと抜群のテクニックで得点を奪うスパイク。どのプレーも「うまい!」と見る者をうならせる職人プレーヤーだ。長年JTの主力を担ってきたが、主将を任されたのは入社以来初めて。

 「自分では、キャプテンに向いてないと思うんです。発言するのは苦手ですし。ただ、一生懸命やっている姿をみんなが見てくれて、『年寄りが頑張ってるんだから、自分たちも頑張ろう』という気になってくれたらいいなと(笑)」。

 今年のチームで手応えを感じているのが、小川旭、国近公太、塚崎祐平ら若手選手の底上げだ。「若手の成長がものすごいんですよ」と、ライバルである若手スパイカーの台頭を嬉しそうに語る徳元の表情は、紛れもなく主将の顔だ。

 「僕が年を取ったからかもしれないですけど(笑)。すごく若手の突き上げを感じるし、競争が激しくなりました。昨シーズンは僕が出ていましたけど、今シーズンは出る機会が少なくなると思います。それは弱音じゃなくて、『お前らがダメだったら、後は任せとけ。だから頼むぞ』という心境になってきているんです」。

 若い選手たちにいつも言うのは、「思い切ってやれ」ということ。

 「ちっちゃいプレー、つまり消極的なプレーや中途半端なことはしなくていい。ダメだったら代わればいいんだから、思いっきり、ガツンとやれ、と言っています。それを言っている自分が、なんかちょっと気持ち悪いんですけどね。『なんでこんなこと言いよんかな?』って(笑)。まあ、キャプテンというのもありますし、一番年上ということもありますから」。

 まるで父親のように、チームを支える大黒柱はどっかりと腰をすえ、若い選手たちを見守っている。


 JTサンダーズは、第1回日本リーグから連続出場を続けている唯一のチームだ。しかし、優勝にはいまだ手が届かないでいる。1994年にVリーグとなってからは4度決勝に進んだが、いずれも敗退した。徳元自身も、3度決勝の舞台を踏んでいる。

 「サントリーとか、堺、東レ、パナソニックにしても、1回でも優勝したことがあるチームは、自信というか、何かを持っていると思うんですよ。メンバーが代わっても、そういうものは残るんです。その自信があるのとないのとでは、全然違うと思うんですよね。僕らは、4回決勝に行って、1回も勝ってない。それは自信にも何にもならないですよ。一体何しに行ったのか」。

 普段穏やかに話す徳元が、この時だけは、荒々しい口調で吐き捨てるように言った。

 「(決勝に)行って負けて、行って負けて…。それはどこかで崩さないといけない壁なんです。負けてしまうと何も残らない。勝てば、自信になると思います。そのために今年、頑張ります。もう僕はあまり時間がないですから」。

 そう言って、33歳のベテランは笑った。

 JTの、そして徳元自身の悲願である優勝を目指して。新たなシーズンが、12月5日、開幕する。【米虫紀子】

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