日本陸連は9日、オンラインで臨時理事会を開き、来年度から新たに年間登録料を設定する案を採決した。

大学生以上の一般は1000円、中高校生は500円とする。

反対意見もあったという。尾県貢専務理事は「収益構造を見直さないといけない」と説明。従来、主な収益はスポンサーに頼る形だったが「コロナ禍では大きな赤字が出る」。財政悪化により、現状では講習会や競技会など「陸連の活動が止まってしまう」危機に陥っているという。今回の決定により、新たに2億超の収益を生み出すことができる。「安定した運営を目指す。それによりアスリートにも安定した活動の環境をもたらすことを考えている。心苦しいが、理解いただきたい」と述べた。今後については、ワーキングチームを設立し、値上げも視野に入れるという。

先月21日の理事会では一律1500円で提案されていたが、反対の意見もあり、継続審議となっていた。

選手は各陸協に登録する場合、都道府県によって異なるが、一般なら1500~4000円程度、高校生以下なら多くが1000円以下を活動費用として支払う。それを各地方の陸協は、大会運営などの財源とし、その中から日本陸連へ年度ごとに、「WEBシステム管理料」として個人、団体、大学生は1人100円、中高校生は1人50円を納めていた。その「WEBシステム管理料」は廃止される。

新型コロナウイルスの余波と言える、その変更の背景には、かねて1人あたり日本陸連に入る金額が100円~50円(WEBシステム管理料)というのは、少なすぎるとの意見もあった。水泳と柔道の場合で言えば、ともに高校生以上の選手は1000円以上を、それぞれ、日本水連と全柔連に登録料として支払っている。