東京マラソン財団は9日、都内で臨時理事会を開催し、来年3月7日に開催予定だった21年大会を来年10月17日に延期とすることを決定した。理事会後に取材に応じた同財団の河野和久事務局長、早野忠昭レースディレクターとの一問一答は以下の通り。

   ◇   ◇   ◇

-延期決定の経緯

河野 今年走れなかった一般ランナーのことも考慮した。一般ランナーとエリートランナーが走れる大会を目指し、さまざまな観点から議論した。大規模イベントの人数制限に関する政府の方針なども踏まえ、大会開催までの期間も考慮して日程を先に決めた。

-10月になった理由

河野 国内外の主要な大会の状況や、都内の催事などを考えたうえで、10月17日が良いのではと。大会への準備期間なども含めて総合的に判断した。

-感染症の状況次第で再変更の可能性は

河野 現時点では10月17日に行うということだけが決定している。質問いただいたことも含め、状況を見ながらさまざまなことを検討していく必要があるが、20年大会で一般ランナーが走れなかったので、できるだけ通常の大会を目指したい。

-通常の開催とはつまり、参加者は前回同様に約3万8000人、車いすレースも実施する方向か

河野 そのように想定している。

-東京五輪パラリンピック終了後、間もない開催となる

河野 準備に関していえば、関係部署と調整を進めていく。道路の占有など、理解を得ながらこれまでも調整してきた。

-規模縮小して3月実施する選択肢もあったなかでの延期決定

河野 20年大会はエリートだけの大会となってしまったので、普通の形に戻したかった。現時点では海外渡航の制限などもあり、3月7日の開催では極めて限定的になってしまう。目指している一般ランナーを含めた通常開催は難しいと考えた。

-冬から秋開催に変わり、記録面への影響

早野 他のメジャーな大会では、春秋の開催で十分な記録が出ている。レースディレクターの立場でいえば、日本の気候を踏まえてペース配分を考え、そのタイミングでいちばんのパフォーマンスを発揮できるようなレースをつくりたい。今年は日本人によるレースが非常に盛り上がっている。五輪に出場できなかった選手も一緒に走ってくれればと思うし、記録を目指して欲しい。