長く苦しんでいた東海大「黄金世代」の1人が復活を印象付けた。トヨタ紡織のルーキー羽生拓矢(23)が1区(12・0キロ)で区間新の34分14秒。トップでタスキを渡した。

スタート直後から先頭に躍り出た。そのまま最後まで譲らなかった。背中に付かれていた服部弾馬(25=トーエネック)は10キロ手前のスパートで、引き離した。トップを独走。2番手の服部に18秒、3番手の宮脇千博(29=トヨタ自動車)の29秒の差を作った。

千葉・八千代松陰高では1年時に3区で日本人1位、3年時には1区区間2位の快走だった。華々しい経歴を持って、館沢亨次、関颯人、鬼塚翔太らと「黄金世代」の1人として、東海大に入学。しかし、そこから故障を繰り返した。4年間、箱根は1度も走れなかった。大学三大駅伝の出場も、1年時の全日本だけ。その時も区間14位と力を発揮できなかった。卒業した今春からトヨタ紡織へ。もがき続けた鬱憤(うっぷん)を晴らすように、ステージが変わって、輝きを放った。

チームは3時間54分42秒で、トヨタ自動車に次ぐ2位。上位6位までに与えられる来年元日の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の出場を決めた。