陸上の女子1万メートルで日本歴代3位の記録を持つ拓殖大(拓大)の不破聖衣来(2年)が、12月の1万メートル記録会と富士山女子駅伝へ向け、「満足いく走りができるように頑張りたい」と意気込んだ。28日に同大学の東京・文京キャンパスで壮行会に出席した。

10月30日の全日本大学女子駅伝で、3人抜きの力走を見せ、5区(9・2キロ)区間賞を受賞。5位入賞に貢献した。そこからおよそ1カ月は、12月10日の「エディオン・ディスタンスチャレンジin京都」の1万メートルへ向け、状態を見極めながら調整を進めてきた。1万メートルの日本記録(30分20秒44)更新の期待がかかるが、「日本記録更新よりは、まずはしっかり1万メートルを走って、自分の満足いく走りができるように頑張りたい」とし、現時点での力を発揮することに重きを置いて臨む。

来年3月に20歳を迎える不破は、つい最近、成人式の前撮りのため、新たにネイルを施して気分転換。緑色と白色の着物に合わせ、同じ色で爪を彩った。「毎回違う風に種類を変えてやっているんですけど、どれも気分は上がります」とほほえんだ。

12月30日には富士山女子駅伝も控える。1本のタスキをつなぐ駅伝には、特別な感情を抱いている。

「個人のレースよりは駅伝のほうが、つながりや自分1人の力じゃないことを実感できて、みんなの力が自分の力になる。そういった意味では、個人のレースより力を発揮できると感じています」

チーム目標は総合力での5位入賞。故障と闘い、周囲の支えを実感した1年を締めくくるべく、師走を駆ける。【藤塚大輔】