初代タイガーマスクの佐山サトル(61)は、大のゴルフ好きだ。記者がゴルフ担当も兼ねていると聞くと、うれしそうにゴルフの話をしてくれた。「ボクは、ジャンボ尾崎さんの一番弟子の小山内護さんにレッスンを受けているんですよ。もうすぐ国内ツアーも開幕しますよね。テレビや動画はしょっちゅう見てますよ」。

狭心症の手術を受けてからは、リハビリのためにコースを回るというが、元気なときは月に4、5回はゴルフ場に通っていた。練習場にもよく通い、1回で600球以上は打つという熱心さだ。小山内プロのレッスンも、基本的な技術はもちろん、プロならではのテクニックに興味を持ち、プロのワザを盗むことも多い。

「30ヤードぐらいの寄せで、最初からアイアンの先を地面につけたまま、芝の上を滑らせて打つテクニックとかもよく使うんですよ。インチキアプローチって呼んでいるんですけど」と、笑顔で話してくれた。

タイガーマスク時代は、圧倒的なテクニックでプロレスの概念を変えたと言われるだけに、ゴルフでもプロのテクニックに目がいく。「女子のアプローチなんか、本当に勉強になりますね。すごい技術を持っていて、男子顔負けですね。小山内プロとかと一緒に回るんですけど、その引き出しの多さには驚くばかり。そこは、プロにかなわないですよ」。そんな佐山だが、ドライバーの飛距離は、380ヤードの記録を持つ、プロ顔負けの飛ばし屋だ。

今年も、男女の国内でのツアーがいよいよ始まる。「池田勇太とか注目しているんですよ。あと、石川遼君。何で彼がトップに出てこないか不思議ですね。女子は、選手個人じゃなく、ドライバーの柔らかさや、コッキング、切り返しとかを注目して見ています」と期待を口にした。

佐山は、ゴルフ場ではタイガーマスクをつけることはないが、その代わり、クラブのヘッドにタイガーマスクをかぶせてラウンドしている。タイガーマスク専門のマスク職人、中村之洋氏(タイガーアーツ)の特注品で、近いうちに一般販売も予定しているという。佐山の後を、タイガーマスクをかぶったゴルフクラブ(キャディーバッグ)が追いかけている様は、なんともほほ笑ましい。【桝田朗】(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)