おはようございます。春の息吹はもうそこまで来ています。せれにゃん塾塾長の青木瀬令奈です。今週は、いよいよ押しかけ挑戦者、谷繁元信さんとの対決もドーミーホール。さあ、どうなる!? ここからゴルフの奥深さを探ってみましょう。

勝負が決まり笑顔の青木
勝負が決まり笑顔の青木

勝負がかかったこのホールは、強烈なアゲンストの難しいコンディション。私の作戦は「とにかく2オンさせること」でした。残り2ホールで2アップのドーミーホールということは、このホール、引き分けでも勝ちが決まるからです。だから、グリーンに乗った瞬間、思わず万歳をしたのですが、それを見た谷繁さんは「なんだか大人げないね」とボヤいていました。その直後に打ったショットがグリーン左に行ってしまったのですが、順目のアプローチをピタリと寄せたのはさすがでしたが、私も負けていられません。容赦なくバーディーパットを沈め「息の根を止めていただき、ありがとうございました」と苦笑されました。

先週は「ショットを曲げて考えると易しくゴルフができる」という話をしましたが、大きく曲がってケガをしてしまうことがないに等しいのが私のゴルフ。その自信が、マッチプレーでも生きたのだと思います。

谷繁さん(左)は「息の根を止めていただき、ありがとうございました」
谷繁さん(左)は「息の根を止めていただき、ありがとうございました」

谷繁さんのゴルフも、予想以上に堅実でした。野球選手はもっと右にも左にも曲がり、距離を求めているのかな、と思ったのですがとんでもない。ベストスコアが「69」で、プロの競技にも出場しているトップアマだけのことはありました。フェースローテーションをしっかり理解して「狙った球を打つ」という雰囲気のある美しいアドレスを見せてくれました。

実は、ショットに不安を抱えている人は、アドレスの雰囲気が本当によくありません。私たちプロだけでなく、みなさんが見ても「あぁ、このまま打ったらミスするな」というアドレスの人、いるでしょ? そんなことのないように、自信を持ってアドレスするのが正解です。谷繁さんと私の勝負から見えた、さまざまなゴルフ上達のヒント。少しずつでも取り入れられれば、ゴルフが上向いてくるはずです。


◆青木瀬令奈(あおき・せれな)1993年(平5)2月8日生まれ、群馬県前橋市出身。2006年日刊アマ全日本女子に史上最年少の13歳で優勝。数々の実績をアマ時代に残す。11年にプロ転向。17年ヨネックスレディースで初優勝。19年賞金ランキング35位。三和シヤッター工業所属。身長153センチ。

◆谷繁元信(たにしげ・もとのぶ)1970年(昭45)12月21日、広島県生まれ。強肩捕手として島根・江の川(現石見智翠館)からドラフト1位で横浜(現DeNA)入団。01年オフにFAで中日移籍。リーグ優勝5度、日本一2度。3021試合出場のプロ野球記録を持つ。現役時代は176センチ、81キロ。ベストスコアは69。

取材・構成  遠藤淳子(清流舎)

撮影 浅見桂子

協力 葛城GC(静岡・袋井市)