女子ゴルフの全米女子オープンで、男女を通じて初の21世紀生まれのメジャー覇者となった笹生優花(19=ICTSI)が14日、米カリフォルニア州からオンラインで会見を行った。会見中に「ご飯食べながらでもいいですか?」とたずねたかと思えば、優勝トロフィーはキッチンのテーブルに「そのまんま」置いていると明かした。最後は自撮りで移動しながら現地リポート。型にはまらない大物ぶりで斬新な会見となった。

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リモート会見に参加した約40人が皆、面食らった。会見中に突然、笹生が「質問してもいいですか?」と切り出した。間髪入れずに「ご飯食べながらでも大丈夫ですか?」。予想外の要望に日本女子プロゴルフ協会の司会者も動揺したのか「会見が終わってから…」と、たどたどしく断った。すると笹生は「了解です」と快諾し、再開された。

笹生はカリフォルニア州にあるレストラン前の駐車場で、車中から会見に参加していた。現地時間の夕飯時。会見の最後に司会者から「夕飯は何ですか」とたずねられると「見ますか? 紹介します」と話し、テレビのグルメ番組のような映像に移行。自身の顔アップから、目線と同じ画面に切り替わり、レストランの中を進む。すると先に着席していた父正和さんらが手を振る様子や焼き肉などが映し出され「こんな感じです。おいしいですよ」と話し、終了。01年度生まれの「新世紀世代」が、前代未聞の形で会見を締めた。

優勝トロフィーは「そのまんまです。ホテルのキッチンのテーブルに置いています」と明かすなど、随所に大物ぶりを見せた。目下の悩みは次戦の全米女子プロ選手権(24日開幕、米ジョージア州)後の予定で、決めかねている。ただ母の母国フィリピン代表で出場が確実な東京オリンピック(五輪)は「ゴルフのメジャーとは違う、また大きいメジャー。楽しんで、自分のゴルフができれば」とやる気十分。型破りな言動が、さらなる飛躍を予感させた。【高田文太】