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スポーツ法政 ’03 11月号

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ラグビー:関東学院と激突!勝利を掴め 法大 小吹インタビュー コラム「栄冠目指して」 東京六大学野球:攻守の要 頼れる主将 新里 険しい栄光への道 チームのために 出雲コーチ チアリーディング:オレンジの女神たち  陸上競技:呼号復活へ 長嶺に続け 全日本大学駅伝 課題残す サッカー:思い届かず… 2部残留  法大3選手個人賞獲得 アイスホッケー:V目前!松田 男子バスケ:大逆転劇 1部残留 集大成となる舞台 女子バスケ:鶴田 2部得点王に バレー:法大バレー「復活」へ 準硬式野球:優勝ならず 馬術:美を味わうスポーツ 学生プロレス:魁!学生プロレス アメフト:王座奪還へ逆襲の咆哮 主将曾澤 攻撃のキーマン!伊藤喜 コラム「遥かなるエンドゾーン」

ラグビー 勝利をつかめ!法大 優勝をかけ決戦の舞台へ

関東大学リーグ戦

 昨季の関東学院大戦、3点という僅差の前に涙をのんだ法大。あれから1年。雪辱を誓う法大はここまで全勝。リーグ戦優勝を懸け、関東学院大との大一番に挑む。

完璧に勝つ


 法大は初戦の日大戦を58−7で快勝。続く山梨学院大戦も100点ゲームで圧勝する。豪雨の中での戦いとなった流経大戦では、前半キックを有効に使い、勝利をつかんだ。しかし連勝を続けながらも、山本監督の目標とする「完璧に勝つ」ことができたとはいえない。山梨学院大戦ではロスタイムにトライを奪われ、完封を逃す。流経大戦でも後半ミスを繰り返し、流経大に2トライを奪われた。流経大戦後、FL佐藤崇主将(社4)は、それまでの3試合を振り返り、「後半最後、失点してしまう。残りの試合は最後まできちんと抑えたい」と語った。
 そして迎えた前半戦の山場ともいえる大東大戦。法大は巨漢軍団相手にパワー勝負で一歩も引かず、FW、BKが一体となった攻撃で10トライを決める。守っても、激しく粘り強いタックルで前半こそ1トライを許したものの、課題とされた後半は無失点に抑えた。
 

後半戦突入


 11月に入り、昨季大学選手権8強入りを果たした東海大と対戦した法大。しかし東海大の激しいタックルに自分達のペースがつかめず大苦戦。「うちの一番悪いところが出た。評価できるのは勝ったことだけ」(山本監督)。連勝は守りきったものの、課題を残す試合内容となった。
 そして気持ちを引き締めて臨んだ中大戦。法大は伝統の高速BKでトライを量産。中大に再三攻め込まれる場面もあったが、瀬戸際の攻防で凌ぎ、今季初の完封勝利をおさめた。
 山本監督は関東学院大戦では「苦しいときにいかに良い判断ができるか」が重要だと語る。春からリーグ戦優勝、そして大学日本一を目指し「判断力」と「個人のベースアップ」を課題としてきた法大。その成果をリーグ戦の優勝決定戦という大一番で見せる事ができるか。
 リーグ戦の頂点を賭けた熱く激しい戦いが、今幕をあけようとしている。  
(後藤 芳恵)



小吹インタビュー

 ――リーグ戦を振り返って、一番厳しかった試合は?
 東海大戦です。DFがすごくしっかりしていて勢いがあったので、自分達のペースがつかめなかった。
 ――ここまで全勝ですが。
 去年も一昨年もそうだったので関東学院大戦は最後の壁です。同じ経験をしているので、今年こそ借りを返したいです。
 ――昨季のWTBから今季ポジションがFBに変わりましたね。
 自分から志願しました。ボールに触る回数が増えて楽しいです。
 ――WTBの選手が固定されていませんが。
 個人的には大変です。でもそれによって下のチームも刺激があって層が厚くなりました。
 ――得意なプレーは?
 間合いをうまく突いてチャンスを作ったり、自分で抜いていったりっていうとこですかね。
 ――法政二高時代から一緒の佐藤崇主将は、小吹選手から見てどんな方ですか?
 あいつが何かするってわけじゃないけど、チームがまとまる存在です。
 ――部の中で一番仲のいい選手は?
 (金澤)良(CTB・経4)ですね。いいたいこと言いあってます。
 ――法大ラグビー部ってどんなチームですか?
 すごく選手同士で話し合う、学生主体のチームです。
 ――関東学院大戦はどう戦いたいですか?
 自分たちのやってきたことを全部出せば勝てると思います。あとは気持ちが大きいので、みんなの気持ちを上げていければ。
 ――関東学院大戦の勝負ポイントは?
 ミスを無くすことと、気持ちだと思います。
 ――最後に関東学院大戦にむけて一言。
 今年こそ絶対に関東学院大に勝って優勝します。



コラム「栄冠目指して」 日本一へBK全開!!

今年の法大ラグビー部は絶好調だ。ここまで、6戦全勝と波に乗っている。その原動力となっているのが、伝統あるバックス陣の活躍だ。また、厚くなった選手層の影響も大きい。
 SHの穂坂(営3)は去年まで前主将麻田(現トヨタ)の後塵を拝してきたが、今年はここまで全試合に出場。オフェンス、デフェンスにと大車輪の活躍を見せてくれている。そのプレーは、ラグビーでの体格の小ささなど感じさせない。小さな巨人と呼ぶにふさわしい存在だ。
 次に、今季不動の司令塔に着いているのがSOの森田(経2)だ。森田の特徴は何と言っても、学生屈指のキック力だ。しかも、そのキック力に精度まで加わりつつあるのだから末恐ろしい。今シーズンは全試合にフル出場し、その力を存分に発揮している。司令塔として法大伝統のバックス陣をどう使うかに期待を寄せたい。
 今年のCTB陣の核はもちろん金澤(営4)しかいない。去年からレギュラーに定着し、今年は副将としてもチームを引っ張る重責を担っている。金澤の武器はスピードあふれるラン、激しい当たり、鋭いタックルなど挙げればきりがない。それに加えて、プレースキッカーを務めるほどの精度のよいキックも大きな武器となっている。
 その金澤とコンビを組むのが、野村(経2)と田沼(社1)だ。野村は1年生だった去年からレギュラーに定着する程の実力の持ち主。さらにSOまでこなす器用さも持ち合わせている。
 一方の田沼は、法政二高時代の花園出場以外に特に目立った経歴を持たない選手だった。しかし、大学入学以降めきめきと頭角を現し、1年生ながらも見事にメンバーの座に着いた。
 今年一番の暑さが感じられるのはWTB陣だろう。ここまでの6戦に出場した選手は7人。中でも存在感を示しているのが山本秀(社1)だ。山本秀は、昨年花園準優勝校の東福岡から鳴り物入りで入学してきた大型新人である。そのWTBとは思えない体格でグランドを所狭しと走り回ってほしいものだ。
 最後にFBの小吹(経4)だ。今季はFBとして活躍しているが、他にもSO、WTBと複数のポジションをこなす非常に器用な選手であり、その転生のセンスで幾度もチャンスを演出してきた。本人が、「FBはスペースが広くてやりやすい」と語るように、FBとしての小吹にはお起きに期待できる。
 近年の法大は早大、関東学院大という2強に悲願の大学日本一を阻まれ続けてきた。しかし、今年は自慢の快速バックス陣がシーズンの深刻と共に調子を上げてきているb。今年こそ大学日本一を達成し、名誉を挽回してくれるはずだ。
(山岸 泰裕)
 



東京六大学野球 攻守の要頼れる主将 新里

チームの柱

今季の法大野球部は5勝6敗・勝ち点2とし、春に勝ち点を落とした早大、明大、慶大とは接線に持ち込むものの勝ち点を取れず、春と同様に4位という結果に終わった。
 このチームを主将として一年間支えてきたのが新里賢(法4)だ。新里は「金光監督の下で一年間主将をやり遂げることが出来て、とても貴重な体験だった」とリーグ戦を終えて振り返った。今年から新たにチームの方針や練習内容も変わった中で、中心となってチームをまとめていた。しかし「春に続き秋もこういう結果になって残念だし悔しい」という優勝を逃したことに悔いを残す。
 常にチームのことを第一に考えてきたが、その自分が背負う責任も強く受け止めてきた。打撃面でもクリーンナップを任され、つなげ打撃を心がけながらも緒惰力を持ち合わせている。対早大の2回戦では同点となる本塁打を放つなど優勝候補の早大と接線を演じるが、惜しくも敗れ、勝ち点を落とす。新里は試合を振り返り、自分の打順に回ってきた7回1死二塁のチャンスで見逃しの三振をし流れを止めてしまい、それを勝敗を分けたポイントと挙げた。何よりもチームの優勝を最優先にする主将としての責任感の強さが伝わってきた。
 守備では、正捕手としてホームから内外野に状況に応じて的確な指示を出し、強気なリードで投手を引っ張ってきた。自分の思い通りにプレーが出来ていない土器には悔しさや憤りもあらわにするなど普段の冷静さとは打って変わった一面も見られることもあり、主将としての自覚・責任を負い、攻守の要として大いにチームを引っ張っていった。
 こち氏は優勝することができなかったが、経験を積み、着実に実力をつけてきている下級生に期待し、「後の代がこの悔しさを晴らしてくれると思う」と話後輩に優勝を託した。

新たな舞台

 今までチームを再三のピンチから救ってきた新里の冷静な判断力と左右にぶれない正確なスローイングが大きなセールスポイントであり、新里本人は大学卒業後もさらに高いレベルで野球を続けることを強く希望している。法大野球部で4年間の経験と実績をいかし、今後とも野球に熱意を持って取り組む姿勢を貫き通して、より一層の活躍を期待したい。

(神庭 考二)

▼新里 賢(しんざと けん)
1981年4月12日生まれ。177a・82`。浪速高校出身。
3年次の春季リーグ戦からレギュラーに定着し、4年次は主将を務め全試合出場を果たす。
<4年間の通算成績>
試:55 率:.202 安:35 点:18 本:1



春季の課題克服できず
険しい栄光への道

届かぬ優勝


 逆転優勝の可能性を残して迎えた慶大との大一番。春は2連敗している相手だけに負けられない一戦となった。
 1回戦。序盤は走者を出すもののなかなか先取点が奪えなかった。しかし、4回・5回と打線がつながり4点を奪うと、先発下敷領(文2)が慶大を2点に抑える好投で春の雪辱を晴らした。そして2回戦。この日の法大は初回から打線がつながり4点を先制する。だが、5回に同点に追いつかれると9回、1死一・二塁からサヨナラ安打を打たれた。そして同時に優勝の可能性も潰えた。
 今季、春に続いて4位と奮わなかった法大。「ディフェンス重視」を今年の目標に掲げたが、今季は失策・四球が失点につながるケースが多かった。また、「点をあげた直後に取られては駄目」(金光監督)と語るように守備からリズムを崩してしまった。攻撃面においても「走塁面での実力もまだまだ」と金光監督。盗塁死・牽制死といった非効率な攻撃が目立った。

来年に向け


 その中で投打に軸が現れた。下敷領と藤田啓(環3)だ。春から投手陣の柱として活躍した下敷領。「春と違って怪我なく最後までベンチにいれて良かった」とフル回転の働きを見せた。「僕は打ち取るタイプ」と言うように、彼の持ち味は相手を手玉に取る投球術。緩急・高低を巧みに操り、打者から凡打の山を築く。金光監督からも「彼はエース格」と信頼は厚い。
 藤田啓は開幕当初から3番に定着しクリーンアップの一角を担った。個人としても初の3割をマーク。個人打撃成績ベスト10入りを果した。そして、明大戦では公式戦初本塁打を記録。「秋は春より貢献できた」と打の軸としてチームを引っ張った。最上級生となる来年はさらなる活躍が期待される。
 早大の4連覇で幕を閉じた今季。しかし、その早大に1点差試合を演じるなど、成長の見られるシーズンでもあった。まだチームは成長段階だが、来年こそ“優勝”という栄光を掴んでほしい。
  
(森 隆史)



 


チームのために 出雲学生コーチ

神宮球場の三塁コーチャーボックスで法大ナインに試合中、声を声を張り上げ続ける一人の選手がいる。学生コーチを務めている出雲大輔 (文3)である。彼は試合中チームがどんな状況下でも声を出し続けた。声を出す以外にも走者をホームに走らせるか三塁に止めるかを判 断する三塁コーチとしての重要な役割も果たした。これには、冷静で的確な判断力が必要とされる。普段の練習時には、選手達がいい環境 で練習が出来るようにグラウンドの環境整備も仕事の一つだという。また学生という選手達と同じ立場である事から、気になった点のアド バイスを送るなどグラウンドの外でも活躍している。「法政は選手一人一人の個性が強いチームなのでまとめるのが大変」と苦労話も話し てくれた。彼は法大にとって必要不可欠な存在である。
 リーグ戦終了後に、「4年生が残してくれたことを生かして来年優勝したい」と語った出雲。来年は最高学年。今年以上に優勝に対する 思いは強くなる。「春よりは確実にいい試合が出来ている」と彼自身もチームの成長を感じている。来年も「10人目のレギュラー」として 優勝を目指して、ナインと共に三塁コーチャーボックスで彼は戦い続ける。神宮での彼の勇姿に注目したい。
(亀田 孝明)
  


  

チアリーディング部
笑顔あふれるオレンジの女神たち

 大学野球の聖地−神宮球場。スタンドではグラウンドで戦う選手たちへ向け、様々な応援が行われている。そしてその応援を華やかに彩り、勝利を呼び込む彼女たち。
 法政大学応援団チアリーディング部・Genies!(以下チア)。現在の部員数は32名。このチアをまとめているのが、幹部と呼ばれる4年生8名。しかし、部員の学部やキャンパスが分かれているため、みんなで踊りを合わせることは非常に大変なことである。また、幹部は踊りも自分たちで考え、下級生に指導を行わなくてはならない。踊りを考える際でも「体全体(手・足・顔)を使わないといけないので、そのバランスが大変」(高橋、橋本)だと言う。当然遊ぶ暇や自由な時間も少ない。だが、責任者の寺田玲子さん(法4)は「最初はとまどいも感じた。でもそれも今では慣れました」と笑顔で話してくれた。寺田さん自身「一部・二部関係なく、みんなで一緒にやることが出来るから」とチアへ入部。それからここまでひたすら走り続けた4年間。「1年生の時からやってきて、裏方も経験したので感慨深いものがありますね」と自らのチア生活を振り返った。
 そんな応援団幹部の一年の集大成となるのが12月6日(土)浅草公会堂にて行われる「第47回オレンジの集い」。この公演を最後に彼女たち幹部は引退となる。寂しさの入り交じる中、彼女たちは今必死に練習に励んでいる。最後まで悔いの残らないものにするため、そして最高の笑顔と最高の演技を魅せるために。この日8人は、万感の想いを胸に最後のステージへと上がる−。
(一宮 大輔)




陸上 古豪復活へ長嶺に続け!

箱根駅伝予選会

 10月18日、東京箱根間往復大学駅伝競走の予選会が行われた。第80回を記念し、箱根町の芦の湖畔コースで各校の選手が激しい戦いを演じた。
 法大は個人で4位にはいった主将・長嶺貴裕をはじめとし、8人が50位以内に入るなど実力を発揮。総合タイム8時間37分50秒とトップの成績でみごと予選会を突破した。よって来年1月2日・3日に行われる本大会に出場する。

実力発揮


 今年の正月、タスキはつながったものの、16位でシード落ち。それから10ヶ月、チームは強さと自信を取り戻して帰ってきた。
 アップダウンの激しい箱根・芦ノ湖での戦い。予選会は神経消耗戦だといわれている。
 主将長嶺貴裕(経4)は、レース前「キャプテンとしてチームをまとめていかなければという気持ちが高いです。基本的には自由なチームなので陰でみんなを支えています」と語っていた。その長嶺が全体の4番目で走りきり、法大トップでゴール。主将としての威厳を見せた。チーム2番目には、昨年の予選会でチーム最下位を味わった中村洋輔(社4)が駆け込んできた。中村は、「チームに貢献できて嬉しい」。その後、「良い走りが出来た」と言う岡田拓也(経2)、「坂のあるコースが好き、昨年の予選会よりもずっと楽に感じた」と述べる佐藤浩二(経3)が続いて到着。昨シーズン駅伝や予選会に出場しなかった秋山和稔(経2)がチーム5番目、深津新太郎(経4)がチーム8番目と新戦力が台頭してきた。その結果上位50人の中に法大選手が8人を占める快挙。成田監督は「予想外の結果。いい意味で裏切ってくれた」という。

リーダー


 今年のチームは今までのチームと一味違う。派手なパフォーマンスはない。浮ついたところもない。チームは大人となり、落ち着きが出てきた。そして夢のようなチームになった、と苅谷部長は述べる。その変化の要因に今年の主将長嶺の影響が大きい。「非常にいいリーダーシップを発揮している」(部長) 長嶺を中心にチームはまとまり、団結している。長嶺自身は「自分は言葉で伝えるのが苦手なので、走りでチームを引っ張っていきたい」と語る。今回の走りで更にチームの信頼を得たに違いない。言葉よりも重いその姿で、これからも進化しつづける法大チームを先頭で引っ張ってゆく。

今季こそ


 他大に比べ法大の選手層は薄い。しかし、4年生がまとまりをもち、経験豊富な2年が3年を押し上げ、良い循環となっている。そして1年生の新たな力が注ぎ込まれた。チーム内での切磋琢磨により総合力は高まっている。また昨年までのケガの反省や監督のやり方がチームの中に浸透してきているのも法大が強くなった一因だと部長は述べる。
 しかし、監督には心配事がある。「とにかくケガをしないこと」。前々回、前回とケガに泣かされている法大。今回こそはけが人を出すことなく万全の状態で本選に挑んでもらいたい。
 今回の予選会には黒田将由(社4)、有原忠義(経4)、圓井彰彦(社1)などといった実力のある選手が出場しなかった。予選会を戦った選手に彼らを加え本選で走ることの出来る選手は10人のみ。チーム内での戦いは激しくなってくる。チーム内での競い合いにより出来上がった法大史上最高のチームが、最高の結果をえるまでもう2ヶ月をきった。
 
(長野 恭子)




全日本大学駅伝8位 課題残す走り

 11月2日に行われた全日本大学駅伝。箱根駅伝予選会1位通過の勢いに乗って大会に臨んだ法大だったが、突きつけられたのは厳しい現実だった。「他の関東勢との力の差を痛感させられた」と成田監督は今大会を振り返る。「出来ればシードを取りたかった。予選会も あったし、うちの戦力からして厳しいことはわかっていたけれど、もう少し順位を上げてくれると思っていた」。シード権を獲得した6位・中央学院との差はちょうど1分。だがその差以上に他校との力の差があることを、今は認めざるをえない状況だ。
 レースは序盤から混戦模様だった。法大は2区・長嶺から3区・圓井にタスキが渡った時点で15位と出遅れていたが、それは監督も予想していた。だからこそ「3区に圓井を配置して追い上げ、5区に万全の状態の有原を配置した」のだ。だがこの計算はもろくも崩れる。有原のペースが上がらない。前を行く日体大・稲垣の背中が離れていく。「勝負が決したのは5区。日体大の背中を見ていてあの走りではしょうがない」と成田監督も落胆の色を隠さなかった。
 「選手自身が自分の役割をよくわかっていない。だから実力はあるのにレースで力を発揮できない。うちの選手全員に言えることだが、“一人で走る”こと、自分でペースを作っていくことができなければ、シード校には追いつけないだろう」。今大会、5区で明暗を分けた日体大は5位でシード権を獲得した。対して法大は8位。だが、シード権を逃した代わりに克服すべき課題は明確になった。黒田・白田らも箱根に向け温存している。この敗戦をバネにして、箱根でのリベンジに期待したい。
(外山 功)




サッカー 2部残留 思い届かず…

新生法大サッカー部スタート。第77回関東大学サッカーリーグ開幕まで、あとわずか。法大は、今季、監督、コーチらスタッフ陣を一新。また、チームも長山新主将(社4)を筆頭に、ここまで順調な仕上がりを見せている。昨季は2部リーグ3位の成績に終わった法大。しかし、今季はスタッフ、選手ともに確かな手応えを感じている。目指すは優勝して1部昇格。まずは前期リーグ戦首位ターンだ!

絶対1部へ


 関東大学サッカー2部リーグを2位で終えた法大は1部−2部入替戦に臨んだ。相手は1部7位の順大。22年間1部の座を守り続けているだけに、負けられないという気持ちは強かったに違いない。しかし気持ちは法大も負けていない。あと一歩のところで優勝を逃した法大にとってこの試合は昇格への最後のチャンスである。1年間持ちつづけてきた昇格への思いはまさに頂点に達していただろう。両者の気持ちがぶつかり合う1回限りの真剣勝負が始まった。
 前半の法大はリーグ戦後半からスタメンに定着しているMF松永幸大(経1)を中心にゴール前まで攻め込むも、決定機を作り出すことができなかった。リーグ戦では何度もチームのムードを変えてきたMF長山一也(社4)のFKもチャンスにつながらない。もどかしい時間帯が続いた。前半最大のチャンスは35分。FW井上平(経1)のシュートが右サイドネットに直撃した。一気に得点への期待が高まったが、前半はそのまま終了。勝負の行方が見えないまま後半へ突入した。

涙の幕切れ


 後半になり徐々に順大の攻撃が勢いを増し始め、法大は立て続けにピンチに見舞われた。そのたびにリーグ最小失点を誇るDF陣が気迫溢れるプレーでしのいでいたが。73分MF堀健人に先制点を奪われてしまう。ついに試合の均衡がやぶられた。その後法大はFW荒木洋太(社4)、林聖之(社4)を投入。この試合が最後の公式戦になる4年生2人にチームの命運を託した。しかし先制点をきっかけに集中力を欠いていたチームに再び流れを引き寄せることはできなかった。そして89分。スルーパスに抜け出してきた堀に追加点を奪われてしまう。更に直後にPKを与えてしまい3点目を献上。法大は、一矢を報いることも出来ぬまま昇格への挑戦を終えた。
 試合終了後激しくなり始めた雨天は、まるで選手たちの目に溢れる涙のようであった。悲願の1部昇格への道はここから再び始まる。涙の雨の向こうにはその道を照らす明るい光が待っているに違いない。        
(松本 美希)




法大3選手 祝 個人賞獲得

ベストイレブン橋元圭一郎嬉しい初受賞


DF橋元圭一郎(工2)がベストイレブンを受賞した。第2節からレギュラーに定着して13試合に出場しており、チームの状態に応じて左サイドバック・センターバックを器用にこなし、自身も「それぞれの責任は同じなので、やるサッカーは変わらない」と語った。182cmという長身を活かしたヘディングの強さが目立ち、足元の技術も正確である。前期の最終戦では「守備だけでなく、攻撃でもヘッドを活かしたい」と意気込みを語った。後期には前に向かう姿勢が多く見られ、来季の橋元選手の活躍にも注目したい。
(松本 美希)

ベストイレブン 長山一也 "予感"通りの受賞


 「もしかしたら(ベストイレブン受賞という)予感はあった」。受賞後、長山一也(社4)はこのように話した。今季はリーグ戦に14試合出場、5得点4アシストの成績を残した。主将という重責を十二分に果たしたという達成感が、まさにこの言葉に込められているようだった。

 前期は司令塔として、得意のプレースキックでチームを引っ張った。後期は守備とつなぎを重視し、MF松永幸大を前線で生かす役割もこなした。この1年間、常にチームのためにプレーしてきた背番号10にとって、この受賞は大きな誇りとなることだろう。
(大野 純一)

新人賞 稲垣貴之 「突然の受賞に驚いた」


 関東大学サッカーリーグの全日程が終了し、10月26日に西が丘サッカー場で閉会式が行われ、法大のDF稲垣貴之(社1)が新人賞を獲得した。稲垣は1年生ながらもリーグ戦前14試合にフル出場し、異例の大活躍となった。1対1に強く、全試合を通し安定した守りをみせ、ロングキックやパスの精度も抜群。攻撃の貴店としてもチームの勝利に貢献し、1年目から法大の右サイドを不動のポジションにした。「フィジカルが強く、非常にタフな選手と、照井監督の信頼も厚い。来季こそ1部昇格を目指す法大、稲垣の今後の活躍に期待したい。
(山田 さち子)




アイスホッケー V目前!オレンジ旋風を巻き起こせ 松田

明大撃破!


 秋季では2年ぶりの優勝を目指す法大。1次リーグ中盤の中大戦で星を落とすというハプニングがあったものの、後半戦では大東大を9−1、日大を6−1と順調に撃破。そして1次リーグ最終戦、相手は宿敵・明大。法大は昨春から明大に6連敗中であったが、中大戦以来「目標は明治に絞っていた」(松田主将・法4)という通り、チームの調子は最高の状態だった。試合は、1ピリこそ点を取ったり取られたりの激戦を繰り広げたが、2ピリ以降は法大が終始先行し、5−3で明大を下した。これで法大は1次リーグを2位で通過を決めた。

3位通過へ


 11月2日から始まった2次リーグ。初戦の相手は東海大1ピリこそ動きが固く無得点だったが、2ピリでは一挙6点を奪う猛攻を見せ結局6−2と大勝する。そして迎えた四強の一角・早大戦。1次リーグでは7−6と競り勝ったもののその実力は拮抗しており、試合は予想通り白熱したものになった。法大は決定機を見出せずなかなか得点できない。逆に早大に先制を許し苦しい展開となる。試合の流れはまったく互角だが、2ピリにも1点を追加され、3ピリもFW西原義宗のゴールで一時は1点差とするが、その直後に再び2点差にされ奮闘むなしく1−3で敗れた。この苦い教訓は次戦に見事つながった。法大は最終戦で大東大に9−0と完勝。2次リーグを3位で通過した。

法大の主将


 優勝にむけてひた走る法大。その中で松田主将の果たす役割は大きい。「チームは監督・コーチのものではない。毎年カラーは変わるものであって、今年は松田のチーム」と斎藤監督が語るように、今年の法大は松田主将が引っ張っていくチームだ。しかし一方で監督は「キャプテンが皆をまとめることに気を取られていて、プレーに専念できていない」とも語った。松田主将は法大DF陣の要であり、攻撃の起点でもある。チームが優勝するためには、これからの彼のプレーにかかってくる。
 彼らには、春は準優勝に終わった悔しい経験がある。夏には陸上部顔負けの走り込み練習をした。優勝への思いは誰よりも強い。残り試合は3次リーグ決勝トーナメントのみ。もはや一つも負けられない中、彼らの奮戦に期待したい。
(山本 啓介)




男子バスケ 地獄を知って強くなる
大逆転劇 1部残留

 長かった秋のリーグ戦が幕を閉じた。開幕まさかの5連敗を喫し、苦しい戦いを強いられた。流れをつかめないまま、終わってみれば4勝10敗で8位。2部1位、東海大との入れ替え戦へ―。4年生最後のリーグ戦であり、来年のためにも負けられない試合だった。第1戦を落とすも、第2戦、接線の末に勝利をつかみ、逆転で1部残留を決めた。

危機


 リーグ開幕戦を落とし、チームに悪いムードが流れた。毎回競った試合をするものの、負けが込んでしまったことで、シュートに迷いや硬さが出てしまった。インサイド、特にリバウンドの弱さも出てしまい、さらなる悪循環が法大を苦しめる。
 さらに、山田(法2)が怪我で戦線離脱し、事態は悪化。しかし、「若い選手を育てるいい機会だ」という佐藤コーチの期待に応え、末廣(営1)は3Pからゴール下まで幅広いプレイを見せ、存在を大きくアピールした。PG小川(営2)はよりオフェンシブとなり、得点面でもチームに大きく貢献。また、インサイドの選手も負けてはいない。「リバウンドやディフェンスをがんばりたい。地味なプレイだが、大事なこと」と語る亀井(法2)。かなり意識が高まっているようだ。
 リーグ最終戦では、4Qに下級生のチームで中大を8点に抑えるなど、底上げは出来ている。

安堵


 そして、挑んだ入れ替え戦。決して楽な試合ではなかった。第1戦、東海の高さに圧倒されてしまう。リバウンドが思うように取れず、ファウルトラブルにも苦しめられた。試合終了間際、山田の3Pで点差を2点とし、次の日の逆転勝利を狙う。
 プレッシャーのかかった第2戦。3点差以上で勝たなければ1部残留の道は閉ざされてしまう。この日、澤岻(たくし)(営2)は29点を挙げ、大爆発。澤岻の勢いに引っ張られるようにコート上の選手たちの足は動いた。4年生が得点で引っ張り、勢いに乗るという本来の法大バスケが復活した。プレイだけでなく、精神的にもチームを支えた澤岻。名実共にエースとなり、頼れるキャプテンへと成長した。
 入れ替え戦という異様な雰囲気に呑まれることなく、120%の力を発揮させ、8点差で勝利。 「負けたことで意識が高まった。2、3点差で勝って、変に余裕が出るよりむしろ良かった」と語る佐藤コーチの言葉どおり、第2戦、怒濤のシーソーゲームに競り勝った。4点ビハインドで向かえた3Q、東海大をわずか2点に押さえ、一気に逆転。選手一人一人が自分の役割を果たし、ひたむきなプレイで東海大を突き放した。試合終了のブザーが鳴り、歓喜の声が上がった。選手たちの笑顔がコートに充満し、言葉にならない安堵感が広がる。勝ちたいという法大の執念が勝ったと言える試合であった。
 チームとして完成し、もう怖いものはない。一丸となってインカレに挑む。
(藤井 聡子)




集大成となる舞台

 昨年、一昨年と2年連続で5位のインカレ。過去2年間ともベスト8で日体大とぶつかり、決勝リーグへの道を閉ざされている。そして今年もまた、因縁の相手・日体大との対決が予想される。
 春の選手権では4位と好成績を残すも、リーグ戦では最下位と低迷し、入れ替え戦に回ってしまった。「地獄を見たので、良い経験になった」(佐藤コーチ)とたくましさを増した法大。インカレは悔しさを晴らす舞台となる。
 そして、チームを支えてきた澤岻・板倉(法4)・森脇(法4)ら4年生にとっては最後の大会となる。悔いの残らないように、4年間で培ってきたもの全てをコートに置いてきてほしい。
 誰一人欠けても魅せられない今のチームでのバスケ。集大成となる戦いが始まる。
(高坂 知永)




女子バスケ 鶴田2部得点王

 <リーグ戦> 先日終了した2部リーグにおいて、法大鶴田が3年ぶり2度目の得点王になった。リーグ戦中「自分ができることを全部する。点取りに行きます!」と笑顔でコメントしてくれたその言葉どおり、249得点を上げ、チームの勝利に貢献した。コーチ陣は試合のたびにチームがまとまり、攻めのバリエーションが増えたことを高く評価した。
 <六大戦> 2部リーグ戦を4位で追終え、手ごたえをつかんだ法大は、東京六大学対抗戦に出場。慶・明・立大戦はいずれも大差で快勝。早いうちに点差を広げ、低学年にも出場のチャンスを与えた。
 課題であったリバウンドからの速攻も、六大戦では多く見られ、わずかな期間での成長も見られた。ケガから復帰した金長は「インカレまでにケガを治して脚力をつけ、ベストの状況に戻したい」とチームのムードも登り調子だ。何より「金長の復帰で選手層に厚みが戻った」(関コーチ)
 宿敵早大(1部リーグ7位)戦では、前半はほぼ互角の戦い。しかし孔版はミスが増え、ペースを引き寄せることがでず73−87で敗れた。それでもキャプテン熊谷は最後まで高い集中力と脚力を発揮。トウボウも唯一のフル出場でチームに貢献した。選手たちにとって価値ある一戦となった。
<インカレ> そして法大は、リーグ戦の成績により、関東代表(12位)として第50回全日本大学選手権大会(インカレ)に出場する。4年生にとっては最後の大会となる。トーナメント方式のため、勝利への意識はより高まる。3年の渡辺も「とにかく4年生が凄い!一緒にプレーできることが嬉しいです。責任を持って頑張ります」と意気込みを見せている。
 注目の初戦は8日、島根大(中国3位)を迎え撃つ(18時20分、代々木第一体育館Dコート)。データの少ない相手だけに、全く油断はできない。二回戦では最近二年間で急成長を遂げた、松蔭女子大(関東4位)と対戦する(9日同時刻同会場)。リバウンドや攻守の早い切り替えに加え、ベンチワークといった総合力も必要となるであろう。
 残された限りある時間を、精一杯輝いて欲しい。
(嶋田 愛)




バレー 法大バレー「復活」へ

不本意な結果


 法大は最終順位を6位とし、秋季リーグの幕を下ろした。予選リーグから一歩後退する結果になってしまった。
 下位リーグ初戦の相手は早大。第2セットを落としたものの、第4セットでは早大に8ポイントしか取らせず、圧倒的な強さを見せた。 続く亜大戦ではフルセットに持ち込まれたが、粘って粘って勝利を勝ち取った。最終戦の順大戦、第1セットから順大ペースで試合が進む。第1、第2セット共に20点台までポイントを入れられずにいた。 第3セット、奮起した法大は27−25で取り戻す。しかし集中力が切れてしまい、第4セットを持っていかれ、最後に痛い負けを喫した。こうして、法大は秋季リーグを5勝5敗で終えた。
 秋季リーグの結果について、「不本意」と吉田監督が語るように法大らしいバレーができていなかった。主将の鈴木(法3)も「チャンスがありながらも逃した」と話してくれたが、その表情からは、すでに次の試合へ向けて気持ちを切り替えていることが伺えた。

守備力強化が鍵


 秋季リーグの終了後、中西(営3)は「守備が悪い」と振り返った。
 ブロックにしてもレシーブにしても、強化しなければ上へは上がれない。そこで監督が真っ先に挙げたのは、「ブロックの強化」だ。大事な場面でブロックアウトをされるなど、相手の流れを止めることができていなかった。
 レシーブにも問題がある。秋季リーグでは、レシーブミスのためにポイントを落とす場面が多くあった。たくさんのパターンのレシーブを受けることが、地道ではあるが確実に強くなる方法ではないだろうか。
 これらの課題が克服できたとき、法大が上位争いに食い込んでいることは間違いない。

上位を狙え!


 12月8日ら全日本大学バレーボール選手権大会が始まる。全国各地から有力な125校が参加する。この大会は春季、秋季リーグ戦と違い、トーナメント形式で試合が行われる。
 今年6月に行われた東日本大会では、3位という好成績を収めた。「うちはトーナメントには強いほうだと思う」と中西。しかし、関西NO.1の大阪商業代や関東上位の東海大、筑波大と戦えるコートへの道のりは長く険しい。一年生で唯一、秋季リーグのレギュラーだった谷口(営1)は「ミスをしないように、自分のできることをしっかりやるだけ」と意気込みを語ってくれた。
 昨年の成績はべすと16.今年はさらに上を目指す。
 法大バレー部の一年間の集大成を見ることができるこの大会。そして、今年の大学バレーをみることができる最後の大会。ぜひ会場へ足を運び、応援をしてほしい。
(土田 麻子)




準硬式野球 優勝ならず

 法大最後の打者が三直に打ち取られた瞬間、明大の春秋連覇が決定。明大の選手がマウンド上で歓喜の輪を作る。その光景をじっと見つめる法大の選手達ー。覇権を奪回することはできなかった。優勝への行く手に立ちはだかったのは、またも明大だった。
 春奪われたモノを取り返しにいく今季。しかし緒戦、法大に暗雲がたちこめる。4番の畠山浩(経4)が怪我をして、戦列を離れることになる。厳しい戦いになるかと思われたが、代わって4番を任された赤嶺(経2)が、勝負強い打撃でチームの勝利に貢献する。途切れることのないつなぎの打線が、相手投手を攻略する。守りも、投手陣の安定した投球と堅実な守備で、相手に得点を与えない。主将・森北(社4)を中心に、どの選手も目標は1つ、「優勝」のためにプレーすることで、チームは1つになり、無傷の8連勝で明大戦を迎える。一方明大も、春の覇者として、勝ち点を落とさない。優勝は、法大対明大の直接対決の勝者となった。
 1戦目、勝ちたい気持ちが焦りを生み、自分達のミスから決勝点を奪われてしまう。王手をかけられた2戦目、もう負けは許されない状況のなかで、チームの危機を救ったのは、4年生の関口(法4)だった。「先発するのが最後だったので、思いきって、悔いのないよう投げた」。最後のリーグ戦先発で、明大打線を1失点に抑え、見事な完投勝利。対戦成績を1勝1敗のタイに持ち込む。優勝が決まる3戦目、序盤に主導権を握られ、試合を有利に運ばれてしまう。鋭い打球を放つも、相手野手の正面をつく。一度もリードを奪うことはできなかった。2季連続目の前で優勝を決められてしまう。
 「流れに乗れなかったことと、むこうの勝ちたい気持ちに勝てなかった」と森北は明大との紙一重の差を分析する。接戦になったときに勝敗を左右するのは、技術だけでなく、精神面が大きい。練習に裏付けされた絶対勝つという気持ちが、勝利を引き寄せるのである。「今年は結果は残せなかったが、いい経験を残せたと思うので、その経験を来年活かして欲しい」(森北)。負けて得たもの、それはもっと強くなるということ。悔しさが大きければ大きいほど、明日へのパワーにつながる。後輩達が、今年の経験が、来春の優勝のために不可欠だったことを証明する。
(朝山 雄二)




主将森北

 全日本大学選手権への出場権を獲得できなかった春季。「全日本にみんなをつれていけなかった」と、その責任を誰よりも痛感していた。
 清瀬杯予選、法大は1点のリードを許し、九回二死走者なしと窮地に立たされ、打席に向かう。「ホームランを狙っていた」。2球目の直球を完璧にとらえた打球は、鮮やかな放物線を描き、本選出場へ結びつく、同点本塁打となった。そして本選でも活躍、優勝へと導いた。
 覇権奪回に挑んだ秋季。優勝をかけた大一番。腰の怪我の影響で、スタメンから外れた。チームに迷惑をかけられないという、勝利のことを第一に考えての選択だった。
 チームをまとめ、勝利へと導くというのは、並大抵の苦労では成り立たないだろう。腰の怪我と闘いながら、チームをまとめ、引っ張ってきた。清瀬杯予選でのあの一振りは、主将としての役割を果たし、森北自身にしか味わえない最高の手応えだったに違いない。



馬術 美を味わうスポーツ

 ここでは馬術の魅力について書いてこうと思います。馬術の主な観戦の魅力を3つにまとめてみました。
 @お馬さんの美しさ
 体長約200cm、横幅約100cm、体重約500kg。でかいです。そして、500kgの体重を人間よりも細い4つの足で支えてます。意外に華奢なんですよね。でかくて華奢なお馬さんが、歩いて駆けて飛びます。特に130cmの障害を飛び越えるお馬さんの姿は・・・。一回見に来てください、感動しますから。
 A人馬一体じゃないと…
 お馬さんがよくてもダメ、乗ってる人だけがよくてもダメ。人と馬の調子が合って勝利を得ることができます。なので、お馬さんも試合の一ヶ月前からコンディションを整えるみたいです。
 B人馬ともに表情が面白い
 お馬さんは素直です。試合中でも、試合前でもリアクションが大きいです。機嫌が悪いと暴れたり、落ち着かないとしっぽをぶんぶん振ったり。そんなお馬さんを落ち着かせるのに必死な騎手の表情も面白いです。
 私の馬術における魅力は以上の3点です。書ききれないですが馬術の魅力はもっともっとあります。ぜひ一度足を運んでみてください。
(岸 武史)




魁!学生プロレス

 「技術ではかなわないけど、プロ以上に観客を楽しませてみせる!」。力強く語ったのは法大唯一の学生プロレス(以下学プロ)戦士「男爵」だ。11月22日、市ヶ谷祭で彼の引退試合が行われる。
 鼓膜破裂、鼻骨骨折と大怪我を負っても辞めようとは思わなかった。「とにかくがむしゃらにやってきた。俺の大学生活=学プロだね」と言い切る。
 この4年間で得たものは、垂直落下式DDTと仲間とのきずな。悔いはない。今はただ目の前の試合に集中するのみだ。「相手を光らせて自分も光らす。そして観客も光らせる」。自らのプロレス哲学を体現するために最後となるリングに上がる。
(外山 功)




アメフト 王座奪還へ逆襲の咆哮 主将曾澤

衝撃の敗戦から一年が過ぎ、法大トマホークスが再び駒沢陸上競技場に帰ってくる。今季の法大は早大に敗れブロック2位に甘んじたが、チームに敗戦の影響はない。昨年失った王者の地位とプライドを取り戻すためにもトマホークスは立ち止まっていられない。

苦しい船出

 今季の法大は主将の会澤(文4)を中心にスローガン「新たな前進〜結束」を掲げ、日本一を目標にスタートを切った法大トマホークス。
 しかしその船出は苦しいものだった。オープン戦では故障者が続出し満足なメンバーで試合に臨めず、関大には完封、日大には試合終了直前の逆転で敗れるなど秋に向けて大きな不安が残る結果となった。
 リーグ戦に突入しても序盤は例年のような相手を圧倒する場面を見ることができない。
 しかし「東大戦から粘り強さがでた」(会澤)ディフェンスが安定したプレーを見せ、連勝でリーグ戦を消化していった。
 秋になっても故障から復帰できない選手もいたが、「下級生も上級生と大差がないくらい成長した」と会澤が語るように確実にチーム力が向上した。
 またその故障者もリーグ戦の終盤には復帰を果たしほぼベストのメンバーで試合に臨めるようにまった。
 そして迎えたリーグ最終戦。相手は昨年法大を破った因縁の相手である早大。この試合は惜しくも試合終了直前に逆転を許し敗北を喫するが、「早稲田に負けて当初は気持ちが落ちたが、また試合ができるので挑戦する気持ちでやっている」(会澤)と敗北の影響を感じさせない。

リベンジへ

 そのプレーオフ、法大はまず準決勝で専大と対戦する。法大が目標とする日本一を達成するには専大に勝つことが第一条件である。
 「春は大差がなかった。今度向こうは勝とうという気持ちがある。春とは違うのでしっかり対策を立てる」と専大の印象を語る会澤からは慢心は感じられない。
 その専大に勝利すれば決勝では早大東海大の勝者と対戦することになる。「(東海大は)日体大と似ているが気になるほどではない。ラインで負けなければ勝つ」
 「(早大は)今までで一番強かった。試合前から気持ちが入っていた。DLはやられたので改善してラインで負けないようにしたい」(会澤)というコメントからも決勝で早大にリベンジを果たしたいという強い思いが感じられた。
 会澤は「甲子園、ライスまで残り4試合。学生生活最後の試合なので気持ちでは負けずに勝って日本一になりたい」とプレーオフへの意気込みを語り日本一への決意を我々に見せてくれた。
 法大の時計は昨年の11月23日で未だに止まっている。今年はその時計の針を前に進めるためにもプレーオフでは絶対に負けられない。 (早坂 茂)
(早坂 茂)




勝利の鍵はパスオフェンス

 今季法大のQBは永浦公人(文3)。その永浦は「早稲田には負けたので絶対に勝つ。去年は決勝を見込んで負けたので一戦一戦戦って甲子園、ライスにつなげていきたい」と語り勝利への強い意欲を感じさせた。
 強力なRBを擁する今季の法大はランを中心に攻撃を展開してきたが、優れたRBがいてもラン一辺倒では攻撃が手詰まりになる。
 「パスはランを出すために要るもの」と語る永浦からもわかるように相手にパスを警戒させることでランがさらに威力を増す。
 そして永浦が理想とするのは「パスとランが相乗効果で威力を発揮するオフェンス」。
 手本としているのは先輩のQB井川(現東京ガス)のプレーだ。この理想とするオフェンスが完成すれば自ずと甲子園への道が開かれるだろう。



プレーオフ注目度NO.1! 攻撃のキーマン伊藤喜

もっと走りたい

 「今年のリーグ戦は楽しかった」。攻撃の手法、TB伊藤喜(法3)(以下伊藤)は、リーグ戦をこう振り返った。オフェンス全体の得点力不足を指摘しながらも、自分自身の走りには満足しているように見えた。
 実際、リーグ戦での伊藤の走りにはめまぐるしいものがあった。数字的に見ても、伊藤はリーグ戦トータルで925ヤードも走り、リーディングラッシャーとなった。関東大学リーグ歴代3位の記録でもある。「勝ちたいっていう意欲が自分を走らせる。どんどん自分にボールを渡して欲しい」。 そう語る伊藤からは、自分のプレーに対する絶対的な自信が感じられた。
 ラン攻撃を主体とする法大は、どうしてもRBにかかる負担が大きくなる。しかも、去年までのローテーションをやめて、今年からは選手を固定で出場させているために、その負担は一層のことだろう。しかし、「今はボールを持っても疲れない。走ることが楽しい」と明るく語ってくれた。
 プレーオフではまず準決勝で専大と対戦。専大については、「強いとは思うが、勝てない相手ではない。足元をすくわれないような気持ちで頑張りたい」と語る。そして、準決勝に勝利すれば、決勝は味の素スタジアムで、早大との再戦が濃厚である。「決勝は早大に来てもらわないと困る」 伊藤は早大との再戦を楽しみにしているようだった。早大については「実際にはたいしたことがない相手。リーグ戦のときは前半空回りしてしまったが、法大が本来の力を出せれば今度こそ勝てる」と語った。
 確かに、リーグ戦での早大戦は、前半こそ早大に押されてはいたが、後半からは法大のペースだった。最後に逆転を許したものの、体力的には法大が勝っていた。プレーオフの決勝は1Q15分間の戦いになるため、法大の勝利もおおいに期待できる。
 伊藤は「プレーオフでも頑張って走る。甲子園のチケットを先にかっておいてください。無駄にはさせません!」と、プレーオフに対する意気込みを熱く語ってくれた。この言葉どおりに伊藤が自分の力を発揮すれば、必ず法大を勝利に導いてくれるだろう。プレーオフでも伊藤の活躍に期待したい。
(高梨 幸江)




10年ぶり 無念のリーグ2位

 第1戦の慶大戦、第2戦の東大戦ともに、大差での勝利が期待されていた。しかし法大は思うように点がとれないなど、本来の力を出し切れない。リーグ戦は厳しいスタートとなった。
 しかし、第3戦では帝大を圧倒、法大自慢のRB陣が大活躍。すばらしい試合展開をみせた。
 リーグ後半戦、初戦の相手は関東学院大。この試合で法大は今季初の完封勝利をおさめた。その後の日体大戦では完封こそ逃したものの、ロースコアの試合。順当に勝利を重ねた。
 最終戦は強敵早大との一戦。ディフェンス陣は、序盤から早大QB波木・RB神を相手に悪戦苦闘。早大の攻撃を止めることができない。一方オフェンス陣も、QB永浦が果敢にパス攻撃を試みるも、ゲインに結びつかず、前半は無得点に終わる。 だが後半から、法大の逆襲が始まる。4Qに入ると法大が連続3TD。ついに逆転に成功する。試合はそのまま法大の勝利かと思われた。しかし、法大の勢いもあと一歩及ばず。4Q残り28秒のところで早大に再度逆転を許してしまい、そのまま試合終了。
 法大は10年ぶりのリーグ2位を喫した。
(高村 篤)




コラム 「遥かなるエンドゾーン」

頼れる守護神


 「志賀さん(00年主将)や平本さん(00年副将・現富士通)のように試合の雰囲気を一気に持ってこれるLB」と理想のLB像を語ったのは、今季副将LB中井勇介(法4)だ。
 多くの好LBを輩出してきた法大。パスにもランにも反応し、前進を止めるためタックルを見舞うLB。サイズ、プレーリード、スピード、俊敏性など多くの要素が求められ、さらに守備リーダーとして守備をまとめることも求められる。 「ラン時のたての上がりとパスカバー」(中井)を武器に、中井は1年次から主力として試合出場を果たしてきた。
 「リーグ前半はずるずるとプレーを出されてしまったが、リーグ後半は止まるようになった」とリーグ戦を振り返った。今年の法大は攻撃陣に例年の爆発力がなく、苦しい戦いを強いられた。
 そんな中で奮闘したのが守備陣だ。1試合平均失点はリーグ最少の9.7と抜群の安定感を誇り、プレーオフ進出の原動力となった。
 「口下手」(主将DT曾澤)な中井はその文、試合中に気迫溢れるタックルなどプレーでチームを鼓舞してきた。そしてそんな中井に対し、「DLがしっかり動いて中井で止めたい」と曾澤ら選手たちからの信頼も厚い。
 専大は春戦ったときとは違って、ややこしいことをやっているが、自分の仕事をすれば負けない相手。しっかり勝って、決勝では早大とやりたい。(早大QB)波木は落ち着いているし、勝負どころでパスも決められる。うまいとは思うが、中井を止めたい。去年から早大には二回負けてるし、次こそは勝って甲子園に行きたい」とプレーオフへの意気込みを静かに語った。
 静かなる闘志を胸に秘めた中井の活躍なくしてトマホークスの甲子園進出はありえない。
(高村 篤)




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