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賞金付きゲーム大会とeスポーツ 苦戦の理由は

[2016年2月5日20時15分]

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 ゲーム業界注目のイベント「闘会議2016」が1月30、31日の2日間、開催された。来場者数は、前年比+約1万2000人の4万7588人、ネット来場者は同+約113万人の687万8290人だった。毎年、ゴールデンウイークに行われる「ニコニコ超会議」からゲームを抜き出したスピンオフ的なイベントで、今回は多数のゲームの中で、任天堂のWiiU専用ゲームソフト「スプラトゥーン」が脚光を浴び、ゲーム内に登場するユニット「シオカラーズ」のライブが盛況だった。

 一方で、今回の目玉だったゲーム大会の祭典「闘会議GP(グランプリ)」では、複数のゲームタイトルによる賞金付きゲーム大会が行われ、賞金総額1億円超となったが、その規模からすると当日、翌日のおけるメディアの反応は大きいとは言えなかった。ここ数年、日本でも海外で人気「eスポーツ」と呼ばれる、ゲームを競技とするものがブームとなると言われてきたが、結果としては根付くところまでたどり着いていない。なぜ、賞金付きゲーム大会もeスポーツも、日本で苦戦しているのだろうか。

 複数のゲーム業界関係者に話を聞くと、その理由が少しずつ見えてくる。まずは「プロかアマか」という点だ。海外のeスポーツは、プロのゲーマーがハイレベルな技術を競い合うことで観戦者が集まり、興業として成り立っている。観戦者が集まれば、そこにはスポンサーがつき、ゲーマーたちにも賞金が入る。この好循環が成功している理由だ。ところが、今回複数行われた賞金付きゲーム大会は、参加者は基本的に一般人。プロでない以上、優勝した選手のゲームプレーを、再びどこかで見る機会はほとんどない。そうなると、選手に固定のファンがつくこともなく、観戦者としても毎回ゼロからのスタートとなる。興業としては、非常に収益が見えづらいものになる。

 次に出てくる大きな理由が、「ゲームでお金をもらうこと」だ。今回の賞金付きゲーム大会は、学生や未成年でも参加できた。海外では当たり前かもしれないが、日本で学生・未成年がゲームによって大金を得るかもしれないことを、各メディアをふんだんに使い広く知らせるべきか否か。ゲーム業界側に迷いが生じているのは確かだ。賞金額だけ見れば、マイナーなプロスポーツよりも大きな額が支払われている。一方で、プロ・アマが同時にプレーするゴルフなどでは、アマが賞金を受け取ることはない。「スポーツ」と名がついたものが、プロでもアマでも賞金を得られるわけではないところに、eスポーツの悩みもある。

 今回の賞金付きゲーム大会には、国内最大級のゲームタイトルも名を連ね、額もこれまで日本では見たことのないものだった。現状整えられる条件は可能な限り整えた。だが、出た結果への反応はさまざまだ。この大イベントをきっかけに賞金付きゲーム大会、eスポーツの勢いが加速するはずだったが、少なくともその予想どおりには、すんなりいかないという見方をしてよさそうだ。【K松】

  • TL

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