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ガンダム部40人の「働きがいのある会社」

[2016年2月26日23時48分]

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都内のゲームセンターに集合したコンカー社「ガンダム部」の面々

都内のゲームセンターに集合したコンカー社「ガンダム部」の面々

 2月某日の夜、東京・千代田区のゲームセンター「秋葉原GIGO」5階に、続々と大人たちが集まり始めた。このフロアに多数設置されているのは、アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズをモチーフにしたドームスクリーン式戦術チーム対戦ゲーム「機動戦士ガンダム戦場の絆」。プレーヤー同士で通信ができ、筐体もコックピットさながらで、パイロット気分が味わえる人気ゲームだ。次々にこの筐体へと入っていった大人たちは、経費管理や経費精算のクラウドサービスを展開する株式会社コンカーの「ガンダム部」の部員だった。聞けば、社員数約80人のコンカー社には、40人のガンダム部とともに、50人の麻雀部もあるという。なぜ、ゲームや麻雀にこれだけのメンバーが集ったのか。その理由と、効果を聞いた。

 ガンダム部ができたのは、昨秋のことだ。部長の岸本雄介さんは「最初は6人でした。ガンダム好きが集まって『戦場の絆』をやってみたら、単なるゲームじゃないおもしろさがありました。まさに仲間との『絆』を楽しむゲームです」。今では月に1回ペースで、この日のような大会を開くまでになったという。ゲームながら“戦場”では、会社の役職は関係ない。「プレー中はパイロットネームで呼び合います。たまに職場でその名で呼んでしまうこともありますけど」と笑った。

 活動内容も本格的だ。「活動の報告をメールで流したり、戦った様子を動画でみんなで見て研究したり。大会終わった後の打ち上げは反省会をするんですが、居残りで練習する人もいます」と説明した。「チーム戦っていうのがいいですね。協力、協調性が求められますね。ゲームなので、男女の体力差関係なく楽しめるのもいいです」と、通信型アーケードゲームの特性をフルに生かしている。

 ガンダム部に先んじて生まれたのが麻雀部だ。部長の畠山宏樹さんは「出来たのはちょうど1年前くらいですね。最初は4人でしたが、初心者の人もどんどん集まってくれて、勉強会も開いています。2カ月に1回くらい大会も開催しています」と、こちらも大規模ながら活発な活動となっている。企業同士の対抗戦も行うようになり、普段は接しないようなメンバーで卓を囲むことになった。「普段会えないような社長さんや役員さんとも戦えたので楽しかったです。相手がいれば、またやりたいですね」と対戦相手を募集中だ。

 この様子を目を細めて見ているのが、三村真宗社長だ。自らガンダム部、麻雀部いずれにも所属し、社員と楽しみを共有している。「発足したのが自発的なら、参加するのも自発的。とても楽しそうですし、私自身もめちゃくちゃおもしろいです」。コントローラーを操作する表情は真剣そのものだ。昨今、社員間のコミュニケーション不足に頭を悩ませる経営者、管理職が多い中、この部活動に手応えを得ているのは、だれよりも三村社長だ。「今の時代、メールなどが発達してしまったせいか、席が隣でも会話しない時代になった。かといって飲み会だと、ひとつのテーマがないので、思い出に残らないし、何を話したかも覚えていない。その点、この部活動は来たくて来ている人たちばかりだし、部門が違う人の間でも共通の話題、とてもいい表情をしています」。

 経営者目線では、新たな発見もあった。「日頃見られない社員の姿が見られるのもいいですね。普段デスクワークをしている社員が、ゲームになってみるとパイロットとしてとても優秀だったり、積極的に戦って指示も出してみたり。思うのは、仕事も真剣な人は、遊びにもとても真剣だということですね」と、隠れた能力を発掘できる機会にもなっている。

 コンカー社は5年前に設立。毎年、倍々の成長を遂げた結果、顔と名前が一致しない社員が増えたという。その問題をクリアしている要因のひとつが、ガンダム部であり麻雀部だ。世界最大級の意識調査期間が行った、「2016年版日本における『働きがいのある会社』」に選出された原動力が、こんなところにあった。

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