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パチプロの打ち様(第4回)

[2014年7月25日15時36分]

  • TL
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 「うーん、当たらないなぁ」とフナムシがため息をつく。朝からリオに腰掛け、300回回しても当たらない。約100分の1の甘デジで3倍ハマリというのは、なかなかキツい。ほぼ4倍ハマリの398回でようやく当たったが、これは潜伏確変。リオのSTは35回で1/65.9なので、簡単には当たらないのだが、展開悪くスルーで、さすがにガッカリだ。

 目の前で起きたたったひとつの事象を取り上げることに違和感はあるが、これが甘デジのひとつの側面である。大当たり確率が高いから勝ちやすいというのは、少なくとも違う。まず甘デジというのは大当たりが多いので、ハマリに遭遇する確率も高い。そしてここからが重要なのだが、出玉を十分に取れないと、単なるスペックの辛い機種になってしまうのだ。

 分かりやすく説明すると、平均出玉400個の甘デジで電サポ中に玉を50個減らすのと、平均出玉1500個のミドルで50個減らすのでは、どちらが影響大なのかは一目瞭然。ただ連載2回目でも説明したように、50個ずつ増えた場合は、逆の意味での影響大で甘デジはお得な機種になる。これがプロの考え。

 フナムシがリオを選択したのはその考えに基づく。リオは図柄あり大当たりを引けば、必ずST35回+時短65回の電サポ100回が付く。ちなみに雑誌などで紹介されているリオの等価ボーダーは17~18回。フナムシに回転率を尋ねると「18~19ぐらいです」。一見ボーダーに毛の生えた回転率で、期待値など出そうにないが(実戦店は等価)、前述した通り、玉を増やせばボーダー値は下がる。甘デジでは異例の電サポ100回という特性を生かして、ボーダーを13ぐらいにしようともくろんでいる。いわゆる技術介入だ。

 ただいつも通う店舗の打ち慣れた台なら、出玉の増えは計算済みだが、初めて打つホールだと、増えは分かっているが、果たしてどこまで増えるか実際に当たらないと正確な数字は出ない。フナムシもその標本を得ようとしているのだが、なかなか100分の1をゲットできない。

 そのころ、丈幻は回転率が足りないと店移動を決め、渋谷の街を歩いていた。「収支が安定するから甘デジを打つのですね」とよく言われるそうだが「それは違うんですよ」。収支というより、稼働が安定するから甘デジを狙うのだという。甘デジというのは、ひとつのホールにひとつの機種が数台あるかないかだが、その分、釘の動きも少ない。また攻略法の出回り方も地味だ。「稼働の安定」というと難しい表現になってしまうが、つまり、いろいろなホールで高期待値の台を探しやすく、有利に稼働ができるのだ。そのあたりは丈幻自身がニッカンアミューズメントのコラム「勝ちプロ」で解説しているので参照を。

 ただ断っておくが、すべてのパチプロが甘デジ専門なのではない。MAX機種専門のプロも数多く存在する。このあたりは地域による台調整の差が大きいが、考え方の違いももちろんあり、どれが絶対というものではない。ひとつ確実な共通項は、分母の違いこそあれ「技術介入性の強い台を打つ」ということ。大当たり1回で数百個も増やせる大技が分かれば、丈幻もMAXを打つはず。柔軟な思考回路がないと勝ち続けるのは難しいのだ。(文中敬称略)

※最終第5回は8月1日に公開、日刊スポーツ大阪本社版では先行して7月30日に総集編が掲載されます。

  • TL

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