全国高校野球選手権(8日開幕、甲子園)に出場する常葉学園菊川(静岡)は1日、午前に約2時間、練習した。遠藤康平内野手(3年)は、フリー打撃で柵越えを4本。打率1割5分8厘だった県大会に比べ「本調子からは遠いけど、捉える打球が多くなってきた」と、手応えを増してきた。

 全体練習後にも居残りで打ち続ける。もっとも、チーム内に心配する声は少ない。センバツ前は現在よりも不振だったが、始まってみれば1、2回戦ともに決勝点をもたらしお立ち台を独占した。森下知幸監督(52)もこの日、スイングを見守り助言を与えたものの「大丈夫でしょう」と表情は明るかった。

 遠藤自身、くすぶっていられない。後輩の活躍が励みになっている。中学時代に所属した硬式の伊豆市シニアは、静岡蒲原シニアとともに今日2日から始まる日本選手権に初出場する。「全国大会に出ることに喜びを感じて、悔いの残らないように楽しくやってほしい」と語った。もちろん、そのエールにふさわしいプレーを甲子園で見せるつもりだ。

 帰ってきた聖地では、すでに第1次候補26人に選出されている18U世界野球選手権(30日開幕、台湾)の高校日本代表入りもかかる。この日はNHKのチーム紹介VTRの収録も行われるなど、徐々に高まる本番ムード。持ってる男、遠藤の舞台は整いつつある。【石原正二郎】