おそろしいまでの失速だ。今季、リーグ戦では記録していなかった同一カード3連敗をここで中日に喫し、今季ワーストを更新する7連敗だ。6試合連続1得点以下というのも球団ワーストタイという。これがあの強かったチームか。
だが、ここまで書いて思うのは「阪神はツイているのかも?」ということだ。やけくそになっているのでも、ふざけているワケでもない。普通、僅差で首位を争う相手がいる場合、こんな歴史的な不振に陥ってしまえば、その座はとっくに明け渡しているはず。
だが阪神は首位だ。なんならマジックも少しずつ減っている。言うまでもなくマジック対象の巨人がDeNAに3連敗を喫したからだ。12日に東京ドームでの直接対決で敗れ、0・5ゲーム差に迫られたときは「ついに陥落か」と覚悟したが現状変わっていない。
だからといって今からDeNAが優勝戦線に加わるかといえば、さすがにそれは厳しいと思う。残り試合が少ない。阪神とは残り5試合。ゲーム差は「6・5」だ。全部負けてもひっくり返らない数字である。
それでも悲願の連覇がピンチなのは間違いない。17日からは甲子園で広島と3連戦。そしてDeNA2連戦だ。いずれも対戦成績5割の相手。対して巨人は東京ドームで中日戦だ。巨人は阪神以外には優勢だ。
7連敗の悪い流れをどうすれば変えられるのか。そう言っても、特段、打つ手はないようは気もする。阪神は森下翔太と佐藤輝明のチーム。この2人が働かなければ勝てないのはハッキリしている。
それでも独断と偏見? で言わせてもらえば「ムードを変える選手」が必要ということだ。例えばファームにいる木浪聖也である。「木浪が来れば勝てるのか」。そう問われれば、もちろん、分からない。それでも思うのは木浪の持つ雰囲気だ。
彼の名前がコールされると甲子園は盛り上がる。この試合なら4回に糸原健斗が併殺に倒れた場面。あれが木浪なら雰囲気はもう少し違っていたかもしれない。糸原がどうこうではなく、木浪というのはそういう選手なのだ。
「とにかく勝つか負けるかという目の前の勝負ですからね」-。敗戦後に指揮官・藤川球児が冷静沈着に努めて話したのはその通りだ。そして、いま、大事なのはそのためにどうするのか、という部分だと思う。(敬称略)




