【岩村明憲さんの挑戦】共同オーナー制への移行「改革×商機」2人が描く未来図 後編

プロ野球のヤクルト、メジャーリーグのタンパベイ・デビルレイズ(現レイズ)などで活躍した岩村明憲さん(47)がオーナーを務めていた独立リーグ「ルートインBCリーグ」の福島レッドホープスが躍進しました。岩村さんが経営改革に着手。相乗効果を生んで、リーグ戦で昨季の最下位から今季は2位となりました。昨年12月、キャリア支援事業など多角的なビジネスを展開する株式会社「Road(ロード)」(本社=東京・江東区)と業務提携し、共同オーナー制へ移行。岩村さんは球団代表取締役会長兼GM(ゼネラルマネジャー)に就任し、2020年以来となるプレーオフへ進出するなど、新体制で結果を出しました。共同経営企業のマッチングを含め、経営が厳しいマイナー球団の新たなビジネスモデルになるのでしょうか-。

2回連載の後編です。

プロ野球

★岩村さんと片江さんが語った主な内容

  • 共同オーナー制を選んだ理由と2人の出会い
  • 選手のセカンドキャリアと就職・転職支援事業の連携
  • 「福くる電気」新収益モデルで球団を地域プラットフォームに

◆岩村明憲(いわむら・あきのり)1979年(昭54)2月9日生まれ、愛媛県宇和島市出身。宇和島東高から96年、ドラフト2位でヤクルトへ入団。01年には「ミスタースワローズ」の称号ともいえる背番号1を背負い、球宴に選出され、日本シリーズでは優秀選手を獲得して日本一に貢献。06年には第1回WBCの日本代表に入り、主力として優勝メンバーに。09年のWBCでも日本代表入りし2連覇に貢献した。07年にメジャーのタンパベイ・デビルレイズ(現レイズ)へ移籍し、パイレーツ、アスレチックスでプレーし、10年に楽天へ移籍。12年に古巣ヤクルトへ戻り、15年にルートインBCリーグ「福島レッドホープス」の選手兼監督に就任した。NPB通算1194試合、1172安打、打率2割9分、193本塁打、615打点。MLB通算408試合、413安打、打率2割6分7厘、16本塁打、117打点。現役時代は「ガンちゃん」の愛称で親しまれた。

6年ぶりのプレーオフ進出を決めた福島レッドホープス

6年ぶりのプレーオフ進出を決めた福島レッドホープス

共同オーナー制を選んだ経緯

リーグ戦最終戦が開催された福島・郡山市のヨーク開成山スタジアムには、1545人の観客が詰めかけた。球場内でのグッズ販売、観客の誘導など、新オーナー会社の社員たち約30人が東京から駆けつけ、運営を手伝うシーンが見られた。

これまで単独オーナーとして球団を守ってきた岩村さんは、なぜ共同オーナーの道を選んだのか。

スポンサー、チケット、グッズ販売等の収入源で、年間で約1億3000万円の経費が必要だという球団経営。なかなか黒字化するのは厳しい状況で、業務提携を決断した片江光太オーナー兼社長は、球団にどんな魅力を感じたのだろうか。

トップ2人にこれまでの経緯やそれぞれの思いを対談形式で聞いた。

本文残り78% (3414文字/4359文字)

野球

平井勉Tsutomu Hirai

Kumamoto

1967年、熊本市生まれ。1990年に入社し、プロ野球の西武、ヤクルト、巨人などを担当。米ロサンゼルス支局時代には大リーグを担当し、野茂英雄、イチローらを取材した。
野球デスク、野球部長、経営企画本部長などをへて現職。著書「清原和博 夢をつらぬく情熱のバッター」(旺文社)「メジャーを揺るがす大魔神 佐々木主浩」(旺文社)がある。