マーリンズのイチロー外野手(42)が25日、同僚エースの悲報に衝撃を受けた。今季16勝を挙げたホセ・フェルナンデス投手(24)が同日未明、本拠地に近いマイアミビーチ近くで事故死。魚釣りのため乗船していた高速ボートが岩礁に衝突して転覆し、周辺から3人の遺体が見つかり、うち1人が同投手と判明した。試合前にイチローの通算3000安打セレモニーを予定したブレーブス戦は中止となり、喪に服した。

 マーリンズにとってフェルナンデス投手は、だれからも愛される「太陽」のような存在だった。勝って喜び、負けてもくよくよしない。常に笑顔を絶やさない24歳は、イチローが「かわいい子たち」と表現してきた、若手の代表格だった。

 記者会見では球団首脳やマッティングリー監督のほか、全選手が黒のユニホーム姿で同席。多くが涙を流し、イチローもその目は真っ赤で、深い悲しみに耐えているようだった。同監督は「小さな子供のように、常に喜びを持ってプレーしていた」とむせび泣き。会見後はバス2台に分乗し、同投手の自宅を弔問した。

 試合は26日から再開される。プラード内野手が「乗り越えなくてはいけないが、今はあまりにもつらすぎる」と、チームを代表して声を絞り出した。マ軍だけでなく球界全体が、悲しみと失意に沈む1日となった。(マイアミ=四竈衛)