今春3月開催のWBCホスト国、米国代表が辞退者続出の大混乱に陥った。エース指名を受ける昨季22勝の先発左腕クリフ・リー(30=インディアンス)が7日、出場要請を断った。リーは昨季22勝3敗、防御率2・54で初のサイ・ヤング賞を獲得。一方で自己最多223回1/3を投げた反動も大きく、代理人ブラウネッカー氏が地元紙ザ・プレーン・ディーラー電子版で、「(キャンプで)じっくり調整したいという希望だった。よく考えた上での結論」と調整上の問題を理由に出場辞退を明かした。

 ただ同代表を率いるジョンソン監督(元巨人)は頭が痛い。第1回大会で準決勝にも進めず、「本家」として雪辱を期すはずが、先発陣を中心に辞退者が止まらない。リーも消え、昨季のメジャー20勝カルテット全員が辞退。さらにリンスカム(ジャイアンツ)が経験不足を理由に、前回代表のピービ(パドレス)もトレード要員の余波で、最近3年のサイ・ヤング賞はベネズエラ出身のサンタナ(メッツ)を除き、すべて辞退という異常事態だ。

 エースは04、05年に連続20勝に輝いたオズワルト(アストロズ)頼み。野手も4番候補ハワード(フィリーズ)が早々と辞退するなど、同代表はまさに「ボイコット」のような様相を呈している。