【ピオリア(米アリゾナ州)19日(日本時間20日)=木崎英夫通信員】マリナーズのイチロー外野手(37)が柵越え連発でメジャー11年目のキャンプインを迎えた。冷たい強風と雨がパラつく薄墨色の雲に覆われた中で軽快な動きを見せ、追い風を受けたフリー打撃では13本の柵越えを放った。ピート・ローズを抜くメジャー新記録の11回目、しかも11年連続の200安打がかかるシーズンへスムーズなスタートを切った。
曇り空にイチローの快音が響き渡った。ウェッジ新監督が率いる新生マリナーズの面々とアップ、キャッチボール、守備練習とこなした後のフリー打撃。6巡の打席で計36スイングし、13本が追い風に乗せた低い軌跡で右翼から右中間フェンスを越えていった。昨年のキャンプ初日と比べるとスイング数で6、柵越えでは8本も多かった。
昨季に達成したピート・ローズと並ぶメジャー10度の年間200安打更新のかかるシーズン。「結果はその後から付いてくるという感覚も多分、持てないだろうし、持ちたくもないなっていう感じですね。しっかり結果を追い求めて、追いかけてそうしたいと思ってます」とローズ超えに真正面から挑む。
もっとも、チームに関してはあえて期待感や目標を含めて口にしなかった。「過去の経験から春のキャンプでみきわめるのは危険」と考えているからだ。昨季は屈指の好投手クリフ・リーら投打に補強を進めて期待されたが、フタを開ければ3年で2度目の101敗と散々な結果だった。
日米合わせてプロ生活20年目の節目を迎えるが、イチローにとってキャンプは怖さを失わない場でもある。「キャンプの最初の日はチームメートの中だけども敵という意識がずっとあって。トータルで20年、その感覚がいまだにあまり変わらないなっていう感じですね」と言った。
約2時間のキャンプ初日を終え、最も印象に残ったと話したのは、朝9時から1時間みっちりと熱弁を振るったウェッジ新監督のことだった。「何食ったらあんだけ元気になるのか聞いてみたいぐらいエネルギーがあるね。でも、エネルギッシュなだけではないちゃんとした軸があるような印象だったのがいいなと思いましたけどね」。人影まばらなロッカー室で20分間、イチローも冗舌だった。



