<ツインズ1-0ホワイトソックス>◇16日(日本時間17日)◇ターゲットフィールド

 【ミネアポリス(米ミネソタ州)=佐藤直子通信員】ツインズ西岡剛内野手(26)が61試合ぶりのメジャー復帰を全力プレーで体現してみせた。左足の腓骨(ひこつ)骨折からホワイトソックス戦で「3番遊撃」で先発出場。本拠地ミネアポリス初先発で、4打数1安打1失策。「ファンが待ち望んで、僕のことを受け入れてくれたことがうれしかった」と満面の笑みを浮かべた。

 西岡にとって、感激の本拠地デビューだった。開幕後に出場した6試合は、いずれもビジター。本拠地開幕戦の前日に骨折する不運に見舞われ、地元ファンに自分がプレーする姿を披露することができなかった。身重の直子夫人がスタンドで見守る中、後遺症を感じさせない動きだった。

 本拠地での初安打は第4打席に生まれた。2番手左腕ソーントンから、投手の頭上を越える大きなバウンドの二塁内野安打。「どんな形でもヒットが生まれたのはうれしいこと」と喜びを隠さない。守備では、11回にわたり打球を処理。6回、ホ軍コネルコが二遊間に放った打球の処理でボールが手に付かず、1失策。だが、それ以外のプレーでは守備範囲の広さを見せつけ、ガーデンハイアー監督も「十分楽しませてもらったよ」と満足げな表情を浮かべた。

 4月7日に負傷してから約2カ月。骨折という想定外の出来事に、「当初はへこみましたよ」と言う。家にいても抜け殻のようだった。「マスコミの前では、正直強がっていた。『これが僕の人生』って言ったけど、あれは本心ではなかった」と当時を振り返る。

 だが、この2カ月間は同時に自分を成長させる期間でもあった。本拠地開幕戦に合わせて渡米していた両親や愛妻に支えられた。リハビリで訪れたマイナー施設では、才能ある貪欲な10代の選手の姿を目の当たりにした。「一瞬でも油断したらポジションを奪われる」というプレッシャーも感じていた。米国ならではの経験を経て「今までと違った西岡を見せられる」と胸を張る。

 「メッチャ楽しみやわ」という本拠地初戦を終えて、現在の心境は「ホッとしました」。地元ファンからの拍手を全身に浴びた。残り95試合。チームはア・リーグ中地区最下位に沈む。浮上の切り札としてフィールドを駆け巡る。