【タンパ(米フロリダ州)8日(日本時間9日)=金子航】ヤンキース田中将大投手(25)が、和洋折衷の33球を投じた。主戦サバシアと並んでブルペン投球。専属通訳の堀江慎吾氏(39)を呼び、自身の左側に立ってもらった。踏み込む左足が地面に着地する前に、背後に直立不動の堀江通訳の背中を感じる位置関係。かつて楽天の久米島キャンプのブルペンでは、田中の左側に、佐藤投手コーチが立つ姿が、度々見受けられた。米国では、それが堀江通訳に替わったものだった。

 目的は、投球フォームのバランスを整えること。練習後は「しっかりと無駄なく、捕手の方に体重を移動できるか。(修正と言うより)確認です」と説明した。背中に人の気配を感じることで、踏み込む足を真っすぐ前に出すことができる。同時に左肩の開きも整える。力み過ぎて肩の開きが早くなるのを防ぐことにもつながる。

 今春の楽天久米島ブルペンでは、ドラフト1位ルーキー松井裕樹投手(18=桐光学園)の隣に佐藤投手コーチが仁王立ちしていた。松井裕の場合は、上半身が後ろに反り返る傾向を修正する目的があった。田中も「日本でいつもやっていた練習ですよ」と言うように、なじみのある練習方法だった。それでもメジャーでは珍しい光景。米国では行われない練習方法では、と問われると「そうでしょうね」と話し、自身のアイデアで取り入れたことを示唆した。

 ロスチャイルド投手コーチは「気分よくやれるように、やればいい」と話しており、田中の流儀を貫くことには賛成している。田中も「投球が制限されているだけで、自分の工夫次第です」と話した。米国の流儀である中4日ローテーションに挑むため、日本での経験も踏まえて練習方法を考え、選んだ道を突き進む。