阪神藤浪晋太郎投手(20)に“大野ツッコミ”が入った。23日、ブルペンで変化球を交ぜ約70球を投げ込み、クイック投法も試した。その姿にじっと視線を送ったのは、昨秋のキャンプで臨時コーチを務めた大野豊氏(野球解説者)だった。ブルペン投球が終わると、すかさず熱心に助言を送った。

 大野氏は「欠点はばらつきが出てしまうこと」とズバリ指摘。投球中に抜け球やワンバウンドするボールがこの日何度もあった。人より腕が長い分、テークバック時のトップ位置が体から離れすぎるため、下半身の動きとずれが生じ球がばらけてしまうという。藤浪も「僕もそう思います。トップの位置が決まっていると、いい球が投げられている。フォームの安定に直結する」とうなずいた。トップ位置を安定させ、上半身と下半身とを連動することが、解決の糸口となる。

 さらに、沢村賞左腕は続けた。「むだ球が少なくなれば球数が減って故障も減る。勝ち星は多くなって、負け星は減る。そうすることで貯金を作れる投手になる」。

 先発した21日DeNA戦では、初回に3四死球と乱れて3失点。力みからフォームのバランスを崩した。安定感は、15年シーズンだけではなく、藤浪のこれから続く野球人生にも大きく関わる課題。乗り越えた先にエース道がある。【宮崎えり子】