阪神松田遼馬投手(21)が「8回の男」へ本格発進や! 8回にマウンドへ。第1球は、この日最速の151キロ、真ん中高めの直球。しかし、この日は「剛」だけではなかった。1死二塁、9番明石への初球は110キロのブレーキの利いたカーブだった。明石のバットは全く動かず、ストライクを奪った。

 「前回は真っすぐだけだったので。初球に(ストライクが)とれて良かったかなと思います」

 前回登板の2月28日練習試合(オリックス戦)では、剛腕らしくオール直球で攻めた。だが、昨年の日本一打線を相手にしたこの日は、110キロ台前半のカーブも3球織り交ぜた。「目線を変えられる」と取り入れた球種。緩急も使い分ける15年版松田を披露した。

 「声をかけられているので、自分も勝ち取れるようにと思ってやっています。この内容なら投げさせてもらえない。次しっかり投げたいと思います」

 福原の負傷離脱により、今年は守護神呉昇桓につなぐ、セットアッパーとして期待が大きい。21歳右腕はその期待に応える心構えはできている。1回無失点だったが、先頭の吉村には右越え二塁打を許した。「高めに抜ける球が多かった」とも反省。大事なポジションだからこそ、信頼されるために投球内容を求めていく。リョウマはセットアッパーへの道を突き進む。【宮崎えり子】