本拠地甲子園での初戦、和田豊監督(52)が並べたのは鳥谷敬内野手(33)を1番に据えた2015年版新構想のオーダーだった。その持ち味がいきなり発揮された。3回1死から鳥谷がヒットで出塁すると、2番上本博紀内野手(28)にはヒットエンドラン。2ボールから変化球をたたくと鋭いゴロで一、二塁間を破った。打力に足をからめて、「平成の怪物」松坂を揺さぶった。

 和田監督 上本は送るだけじゃなくて、ああいうこともできるんで、足をからめた攻撃がいつも以上にできるようになってくる。

 クリーンアップ、特に4番ゴメスの前にいかに走者をためるか。指揮官も新1、2番コンビの連動には手ごたえを感じている。昨季は1番を任せられていた上本も、鳥谷とのコンビにしっかり適応している。

 上本 自己犠牲というか、バントやエンドランはしっかりやらないと。2番打者でなくてもやらないといけないと思います。

 また、攻撃だけではなく守備でも、このコンビが躍動した。3、4回と2つの併殺チャンスをしっかりと完成。昨季より、さらに精度は高まっているようだ。試合中のインタビューでは和田監督が鳥谷、上本の二遊間決定を明言した。

 和田監督 基本的にはそれでいこうと思っている。昨年より上本も成長しているんで、より精度の高いコンビになってほしい。

 この日、3番には西岡、5番にはマートンが入った。指揮官はこの2つの打順が新打線構想の鍵を握るため、複数の候補を試すと明言している。脅威の1、2番コンビが実現するのか。今後の“実験次第”となりそうだ。【鈴木忠平】