桐蔭対決、強引にねじ伏せ開幕へ! 阪神藤浪晋太郎投手(20)が今日6日西武戦に2番手で登板する。大阪桐蔭の1学年後輩で、バッテリーとして春夏連覇を果たした森友哉捕手(19)とも待望のプロ初対決。思い出深い甲子園ながら、栄光の過去も遠い昔。同窓の先輩中村と浅村も出場予定で、刺激的な実戦登板で調整ピッチを上げる。

 かわいい後輩も抑えるだけだ。藤浪は先発メッセンジャーの後でマウンドに上がり、2~3イニングを投げる。西武森はスタメンマスクをかぶる予定で、プロ初対戦は待ったなし。阪神、西武ファンだけでなく、高校野球ファンも注目の対決に、藤浪はきっぱりと言い切った。

 「1人の打者に変わりない。もちろんいい打者というのは知っている。一緒にプレーできることは敵チームであってもうれしいこと。でも勝負を楽しもうとは思っていない。抑えにいくことには変わりない」

 実力を認める好打者にも、打たれるつもりはさらさらない。12年の甲子園。春夏ともに頂点を極めた思い出の地での対戦も、懐かしんでいる暇はない。

 藤浪はここまでの実戦で、ことごとく左打者に安打を浴びた。開幕3戦目へ向けて、クリアしないといけない対左打者。それでも「内角を引っ張られてライトオーバーを打たれているわけではない。あまり気にしすぎないようにしたい」と冷静に分析。後輩森も、左の好打者として抑えにかかる対象だ。

 大阪桐蔭のOBでは先輩の中村と浅村も出場予定という。「先輩後輩、大阪桐蔭出身の選手と一流の場で対戦できることを誇りに思います。でも楽しむのではなく、抑えたいです」と気合十分。自然と闘志が湧く状況。シーズンに向けた調整としては、願ってもない舞台装置だ。

 前回登板の2月28日。高知・安芸での練習試合オリックス戦では右手中指から流血しながら5回を0封した。「(指は)もう大丈夫です」と笑顔。万全の状態で迎える。10日には侍ジャパンで欧州代表戦に先発する。これが最後の調整マウンドでもあり、状態はできる限り上げておきたい。「内容にこだわりたい。四球からの失点、失策からの失点をなくしていきたい」。後輩よ、そして先輩も覚悟。藤浪が同窓対決からエンジンをふかす。【宮崎えり子】

 ◆大阪桐蔭出身のプロ野球選手 藤浪-森バッテリーの12年春夏連覇など、昨夏まで春1度、夏4度全国制覇している名門は数々の名選手もプロに送り出してきた。中日でエースだった今中慎二、阪神西岡剛、西武中村剛也、浅村栄斗らタイトルホルダーも輩出。現役は14人で、現役の出身高校別では(1)横浜19人に次ぐ2番目。広陵13人、PL学園と東海大相模の11人を上回る。