甲子園無失点デビューで、開幕ローテ候補に残った! 阪神ドラフト2位石崎剛投手(24=新日鉄住金鹿島)が10日、2番手で登板。4回を投げて2安打3奪三振2四球で無失点。走者を背負いつつも踏ん張り、すでに開幕ローテ入りを当確させた5年目右腕岩本に続き、先発残り枠の最終候補に滑り込んだ。

 石崎が開幕ローテ入りのチャンスをつないだ。最大のピンチは8回だった。先頭打者への四球から2死満塁まで攻め込まれた。

 「自分が作ったピンチでそれ(冷静になれる)どころではなかった。いっぱいいっぱい。でも、どうしようどうしようと引きずらずに、梅野を信じて投げました」。大量失点の危機。しかも、人生初の甲子園マウンド。登板した6回は笑顔も見られた石崎だったが、さすがに表情はガラリと変わった。

 「メンタル面で何とか抑えようと。強いものを出せたと思う」

 代打鈴木将への4球目。内角へ141キロ直球を投げ込んだ。力ない遊飛。ローテ争奪戦から脱落する危機を乗り越えた瞬間だった。

 石崎はこれで実戦5試合に投げ14回2失点と安定。メッセンジャー、岩田、藤浪、能見の4本柱に続き、すでに岩本の開幕ローテ入りは当確している。残るは事実上1枠だ。中西投手コーチは「明日(11日)の2人もあるからな。(4本柱以外で右1人、左1人が)理想は理想。いいものを使っていく」。理想は岩崎と岩貞の左腕コンビのうち1人を開幕ローテに組み込むこととしながら、石崎が候補に残ったのは間違いない。岩崎は今日11日広島戦(甲子園)に先発し、岩貞も登板予定。この2人の結果次第で、コイ斬りを果たしたルーキー右腕にもチャンスが回ってくる可能性は十分ある。

 「収穫は調子が悪くても0に抑えられたこと。結果が結果で0点だったけど、何がいけなかったのかはきちんと振り返って明日につなげたい」

 中西投手コーチからは「カットボールが投げられたら」と指摘も受けた。スライダーの曲がりが大きく、カウントを整える変化球を習得することが必要という。新たな武器の鍛錬にも励む石崎が、開幕2カード目ヤクルト戦(神宮)の先発を託されてもおかしくない結果を残した。【宮崎えり子】

 ◆阪神の開幕ローテーション争い メッセンジャー、岩田、藤浪、能見の4人が確定し、登板順も内定している。残り2人は「右腕」+「左腕」の組み合わせを理想としており、右腕は岩本と石崎、左腕は岩崎と岩貞が争う構図だった。そんな中、岩本が8日巨人戦で6回無失点と好投し、ローテーション入りを当確させた。首脳陣は14日からの関東遠征までにはローテーションを固める意向だ。