ドラフト上位候補で最速152キロを誇る富士大(岩手)の小野泰己投手(4年=折尾愛真)が、プロ志望届を出すことが分かった。青森大に8-0(7回コールド)で快勝後、豊田圭史監督(32)が「リーグ戦が終わったら出します」と明かした。昨年、西武にドラフト1位で入団した大学の先輩多和田真三郎投手(23)と同様、最短で最終節が終わる翌日の19日に出す見込み。前日3日に延長10回8安打12奪三振1失点で完投し、この日の登板がなかった小野は「リーグ戦でいい投球をして、アピールしていく」と話した。

 全国での敗戦を糧にスケールアップした。6月の大学選手権では亜大(東都)を相手に四球から崩れて自滅した。今夏は新球カーブの習得と制球力アップに力を注いだ。今までは決め球の高速フォークとスライダーのみだったが、100キロ台のカーブをマスターすることで50キロ差の緩急を使う投球を覚えた。秋季リーグ戦では既に3勝を挙げ、26回16安打33奪三振2失点と抜群の安定感を誇る。与四死球はわずかに2個で課題を克服し「調子はいいです」と胸を張る。

 ひと夏でさらなる成長を遂げた小野に豊田監督も太鼓判を押す。「多和田は既に完成されていた。小野は壁を乗り越えて着実にレベルアップしている。伸びしろは小野の方が上」。緩急を覚えた剛腕は、10月20日の運命の日までアピールを続ける。【高橋洋平】