<日本ハム1-0広島>◇28日◇札幌ドーム
ここぞの時、頼れるのは、やはりこの男だ。0-0の延長11回2死一、二塁。打席へ向かう日本ハム稲葉篤紀外野手(38)は「おいしい場面がもう1度、来たな」と何度も自分に言い聞かせた。6回1死満塁のチャンスで見逃し三振に倒れ、先発吉川光夫投手(23)に勝ち星を付けてやれなかった。「あの三振がずっと頭に残っていて…」。サファテの初球、155キロ直球を空振り。「バットを気持ち短めに持って打つしかないと思った」。直球一本に絞って、151キロの剛球を中越えにはじき返した。
10回の攻撃に入る直前、すでに試合が始まって3時間20分近くが経過していた。今季導入された「3時間半ルール」が、ベンチ全員の頭をよぎる。「時間はすごく気にしていた。ただ、これはひょっとしたら…と思って気持ちは切らさずにいた」と稲葉。心構えが生んだ今季チーム初のサヨナラ勝ちでもあった。
梨田監督は「本当に1点が取れて良かった。また、新聞にまんじゅうが並んでいる見出しを想像して、心配していたからね」と表情を和らげた。26イニングぶりの得点を、セ最多11セーブを挙げ無敗を誇っていたサファテから奪った。痛快な勝利を力に、首位奪回への勢いを加速できるか。【中島宙恵】



