<ソフトバンク1-1日本ハム>◇17日◇福岡ヤフードーム
あとアウト2つ、1-0の完璧なシャットアウト劇の成立目前。松田の打球音を耳にした瞬間、ダルビッシュ有投手(25)は「(外野を)越えたと分かった」と振り返る。援護はわずかに1点。梨田監督が「ダルは本当に我慢して、よう放ってくれた」と感謝の嵐も、結末は残酷だった。
負けるか引き分けでライバルにマジックが点灯する大一番。気迫を象徴する1球は4回1死で迎えた松田への初球。強烈な軌道で食い込むツーシームで、顔付近をえぐった。過去に避け切れなかった右打者を複数、骨折などの負傷に追い込んだ。そんな過去のトラウマもあってか、勝負どころ以外では選択を避けるケースもあった。
使命を受け止め、堂々と解禁した右打者への内角高めツーシーム。松田はよけながら空振りした。しかし、9回の痛恨の1球は、その勝負球が「ちょっと引っかかった」と、狙った内角より中に入った。なおも1死三塁のサヨナラのピンチは「最後は踏ん張れた」としのいだ。
12奪三振で通算50度目の2ケタ奪三振も、プロ入り最多17勝目はお預け。9月に先発した3試合はいずれも白星なし。全て味方が1点以下しか得点できなかった。V奪還が極めて厳しくなり、梨田監督も「1戦1戦しかない」と強調。一方、ダルビッシュは「まだ終わっていないんで、最後まで…」と、不気味なほどすがすがしく、前向きだった。【高山通史】



