<中日4-2DeNA>◇1日◇ナゴヤドーム

 Bクラスに終わった中日谷繁元信兼任監督(43)が、来季V奪回を誓った。ナゴヤドーム最終戦のDeNA戦は、自身の2点適時打などで快勝。だが試合後はマイクを握ってファンにざんげした後、「来季は最高の結果をできるように戦っていきます」と力強く優勝宣言。屈辱をバネに、チームは9日からナゴヤ球場で秋季練習を開始する。

 マイクを持った谷繁兼任監督が頭を下げた。「全国のドラゴンズファンのみなさまの応援、期待に応えられず、申し訳なく思っております」。ナゴヤドーム最終戦後のセレモニー。試合は自身の2点打や250犠打などで意地の勝利。だが全身を支配していたのは、Bクラスの責任感。竜党に自分の言葉でおわびを伝えたかった。

 ヤクルト古田以来7年ぶり、球団では野口明以来59年ぶりの兼任監督1年目は、1度も優勝争いに加われなかった。開幕からローテを守ったのは山井1人だけ。常に投手陣が不安定で吉見、浅尾、岩瀬ら主力の故障者も続出した。野手も平田をはじめ4番が森野、ルナ、和田と4人が入れ替わるなど、勝負どころでの決定力不足に泣き、競り負けが多かった。監督自身も太ももや背筋の故障で出場機会が減り、カバーできる2番手捕手の低調も響いた。

 何とかやりくりして8月を貯金2の4位、首位巨人と5差で迎えたが、まさかの大失速が待っていた。和田の骨折離脱も相まって、勝負の8月に球団ワーストの20敗(7勝)を記録。歯止めが利かず、ミス続発でCS争いも脱落した。「強竜再燃」のスローガンもむなしく、昨季を下回る5位の可能性を残して本拠地最終戦を終えた。

 負けん気の強い監督の心はもう来季に向いていた。「監督である自分自身、選手、コーチ全員で必ず立て直し、ナゴヤドームでみなさんに最高の結果が報告できるように戦っていきます」。V奪回宣言で締めた。竜党からは「来年は頼むぞ!」との叫びが飛んだ。

 他球団のクライマックスシリーズをよそに、9日からナゴヤ球場で秋季練習を開始する。世代交代が課題の中、高橋周、又吉、福谷、浜田ら楽しみな若手も出てきた。2軍投手コーチには日米176セーブの大塚晶則氏(42)を迎え、弱点補強にも手を尽くす。「来年は本当にやり返す。明日の最終戦が終わった時点で来年へ向けてスタートします」。この屈辱は忘れない。汗と泥にまみれて再出発する。【松井清員】