【米ラスベガス9月30日(日本時間1日)=藤中栄二】WBC世界スーパーバンタム級王者・西岡利晃(35=帝拳)が米国製グローブを初着用し、日本人の世界王者として初めて「聖地」でのV7防衛を成功させる。1日(日本時間2日)、当地のMGMグランドで元世界2階級制覇王者の同級2位ラファエル・マルケス(36=メキシコ)とメーンで激突する。この日の公開計量で西岡は55・3キロのリミットでクリア。計量後のグローブチェックでは自らの拳の保護とパンチ破壊力を兼ね備えた米国製を選択し、大一番のリングに立つ。

 米国流を楽しんだ。試合会場に特設された公開計量の壇上に立った西岡はファンの声援に応え、拳を突き上げた。体重計に乗り、55・3キロのリミットでパスすると、気合の入った表情で上半身の筋肉を誇示。数多くのカメラフラッシュを浴びた。54・9キロでパスしたマルケスと視線を合わせて約15秒間、にらみあった。「ここは最高峰。やりたくてもできないところ。楽しみで仕方ない」。西岡の気持ちは躍動していた。

 初めて「米仕様」グローブを選択した。米国では両者異なるグローブの選択が許可。メキシコ製を選んだマルケスに対し、西岡は米国製に決めた。5階級制覇王者メイウェザーや世界ヘビー級王座を独占するクリチコ兄弟愛用のグラント社製。過去の防衛戦ではメキシコ製を使用してきた西岡だが、今年4月のV6戦前に左拳を負傷。当初は拳への負担軽減のため、スパーリングで試していた。しかも米国製は革部分が非常に硬いことからパンチの破壊力も増す感触もあった。西岡は「握り心地具合が今までのとは全然違う一番のグローブ。本当にフィットする」と念願のグローブに出合えた喜びを言葉にした。

 計量後、帝拳スタッフが約8時間煮込んで作った鶏がらスープを飲んで体力を回復させた。この日、美帆夫人(30)もラスベガスに到着し、準備は整った。「喜びと感動がある試合になる。自分がワクワクしている」。ボクシングの聖地で、西岡は日本ボクシング界に新しい歴史を刻む。