WBC世界バンタム級3位の山中慎介(29=帝拳)が、決戦2日前に世界初挑戦の吉報を得た。同級2位クリスチャン・エスキベル(25=メキシコ)との挑戦者決定戦(6日、東京・代々木競技場第2体育館)を控えた4日、都内で調印式に出席。席上、WBCのマウリシオ・スレイマン事務局長が現王者ノニト・ドネア(28=フィリピン)の王座返上を受け、山中-エスキベル戦を急きょ王座決定戦に昇格させたことを正式発表した。

 調印式の10分前、緊急昇格を聞いた山中は「興奮している。必ずベルトを取る」と気持ちを高揚させた。式後は帝拳ジムに直行。練習でミットを持つ大和心トレーナーを左ストレートで吹き飛ばした。関係者を通じ、元WBC同級王者長谷川穂積(30=真正)が「自分の後継者的な存在」と期待していることを知り、「長谷川さんの持っていたベルトを取り戻す」と決意を新たにした。

 王座決定戦出場の権利を持つ同級1位アブネル・マレス(メキシコ)は現在IBF王者。12月3日にジョセフ・アビコ(ガーナ)と防衛戦が控えていることをWBCは考慮したという。山中が王座奪取に成功すれば、初防衛戦はIBF王者マレスとの団体統一戦になる可能性もある。【藤中栄二】

 ◆山中慎介(やまなか・しんすけ)1982年(昭57)10月11日、滋賀・湖南市生まれ。南京都高1年でボクシングを始める。3年時の国体で習志野高1年の粟生隆寛を破って優勝。専大ボクシング部で主将を務めた。06年1月、高橋仁戦で6回判定勝ちでプロデビュー。昨年6月、日本バンタム級王座を獲得し、今年3月に岩佐亮佑を10回TKOで倒して初防衛に成功。戦績は14勝(10KO)2分け。家族は両親と姉。身長170センチの左ボクサーファイター。