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OGGIの「毎日がW杯」

OGGIの「毎日がW杯」

荻島弘一(おぎしま・ひろかず):1960年(昭35)東京都出身。84年に入社し、スポーツ部勤務。五輪、サッカーなどを担当して96年からデスク。出版社編集長を経て05年から編集委員として現場取材に戻る。

日本が早い時間に先制なら奇跡あり得る


 いよいよ日本が大一番に臨む。本田は「奇跡を信じる」と話したけれど、コロンビアに勝ちさえすれば、1次リーグ突破の可能性はある。コートジボワールに逆転負けし、10人のギリシャから1点も取れなかったが、コロンビアは決して勝てない相手ではない。

 すでに1次リーグ突破を決めているコロンビアは、大幅にメンバーを変更してきそうだ。ペケルマン監督は会見で「23人全員が準備できている。少しはメンバーを変えるかもしれない」と、不動だったスタメンの変更を口にしている。

 2試合で決勝トーナメント進出を決めると、3試合目は「消化試合」になる。過去の例では、メンバー変更は珍しくない。けがなどで体調が万全でない選手やイエローカードを出されている選手を休ませることは多い。さらに今後の試合を考えて、ベテランに休養を与えることもある。

 今大会は高温多湿の気候や長距離の移動の影響もあって、選手の疲労度は過去にないほど。第3戦が猛暑のクイアバで行われることを考えれば、選手は休ませたいはずだ。それができたのは、2試合で突破を決めた「特権」でもある。

 すでにイエローカードをもらっているMFサンチェスは欠場する可能性が高いし、負傷したDFジェペスも休ませそうだ。コロンビア紙によれば、21歳のMFキンテロ、DFバランタ、さらに43歳のGKモンドラゴンも使う見込み。最前線もグティエレスでなくマルティネスを起用するとしている。

 「日本が最も警戒すべき選手」としてあげられるMFロドリゲスの欠場を予想する地元紙もある。さすがに日刊スポーツ本紙では予想メンバーに入れたが、10番を背負うエースが欠場すれば、チームの攻撃力が半減するのは間違いない。

 決勝トーナメント進出を決めたチームが第3戦で考えるのは、1次リーグの順位。1位突破ならD組2位と、2位ならD組1位と決勝トーナメント1回戦で対戦する。D組はまさかの2連勝で突破を決めているコスタリカの1位が濃厚。イタリアかウルグアイが2位になる。コロンビアにしてみれば、仮に2位に落ちてもリスクはない。いや、逆に好都合だろう。さらに、1位突破なら中3日で決勝トーナメント1回戦となるが、2位なら中4日と日程的にも楽になる。

 ペケルマン監督は「選手を入れ替えても勝てる」と自信を見せながらも「日本は最も危険なチーム。ここから回復する力を持っている」と、メンバーを変えて負けた時の「言い訳」をすることも忘れなかった。

 クイアバはコロンビアに近く、多くのサポーターも訪れる。「わざと負ける」とは口が裂けてもいえないだろうが「負けてもいい」状況にはある。「絶対に勝ちたい」日本とは気持ちの面でも差が大きい。日本にとっては「勝たなければいけない」試合なのだ。

 日本がコロンビアに勝っても、1次リーグ突破はコートジボワール-ギリシャ戦次第。現在2位のコートジボワールは有利な立場だが、日本次第では勝利が必要になる。同時刻の試合で日本が早い時間に先制点を奪えば、プレッシャーを受けたコートジボワールが攻めに出る。そして、ギリシャの速攻の餌食に…。そんな展開を考えると「奇跡」が起きる気がしてくる。

 そのためにも、早い時間にゴールして別会場の試合も含めてC組をコントロールしたい。後はない。キックオフから思い切り攻め込む。この4年間の集大成として、そんな試合が見てみたい。

















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