ロックバンドKANA-BOONが初めて映画主題歌を担当することが14日、分かった。漫画家岸本斉史氏の人気コミック「NARUTO-ナルト-」の劇場版新作で、シリーズ11作目「BORUTO-NARUTO THE MOVIE-」(8月7日公開)の主題歌「ダイバー」を書き下ろした。シングルとして8月5日に発売される。

 メンバーは原作コミックの大ファンだった。シングル「シルエット」が昨年10月から半年間、テレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」のオープニングテーマ曲として使われた。劇場版の総指揮も務める岸本氏は同曲に深い感銘を受け、ぜひ映画主題歌にもと指名した。同氏は「多くの人が共感できるであろう素晴らしい曲。エンディングでこの曲が流れたら、僕は絶対にまた泣いちゃいます」と太鼓判を押す。

 「ダイバー」は新しい1歩を踏み出す意味も込めたロックチューン。作詞作曲したボーカル兼ギターの谷口鮪(25)は「どのアーティストにも負けない自信があるほどNARUTOが大好きなので、純粋にうれしかったです。これ以上の曲はもう書けません!」と自信満々だ。メンバーと対面した主人公うずまきボルトは「マグロってばおいしいだけかと思ったら、こんなカッコいい曲も作れるなんてびっくりだぜ!」と大喜びしている。

 同バンドは10~20代に絶大な支持を得ている注目の存在。過去にシングル6枚、アルバム2枚を発表し、ユーチューブ再生回数は計6000万回を超えている。メロディー、歌詞ともキャッチーで覚えやすく、学園祭などでカバーする中高生が続出。「踊れるロック」としても人気で今年は音楽フェスに16本参加する。曲の印象とギャップのある素朴なたたずまいも人気の理由。今回の主題歌でさらにファン層を広げそうだ。【近藤由美子】

 ◆KANA-BOON(カナブーン) ボーカル兼ギター谷口鮪(25)ギター古賀隼斗(24)ベース飯田祐馬(24)ドラムス小泉貴裕(24)の4人組。08年結成。堺市内のライブハウスで活動。インディーズ時代のシングル「ないものねだり」がヒット。13年9月シングル「盛者必衰の理、お断り」でメジャーデビュー。同10月の初アルバム「DOPPEL」はオリコンランキング初登場3位。先月発売のシングル「なんでもねだり」は長谷川潤出演の資生堂「アネッサ」CMソング。

 ◆劇場版「BORUTO-NARUTO THE MOVIE-」 7代目火影の父ナルトを全否定する息子ボルトが主人公。英雄とうたわれた父の存在を超えるため、父のライバル、サスケに弟子入りして成長する姿を描く。前作はシリーズ最高の興収19・8億円を記録するヒット。本作は全国約250館以上で公開予定。