ももいろクローバーZの有安杏果(21)が1日、埼玉県・富士見市民文化会館で行われた富士見市PR大使委嘱式と、昨年公開のももクロ主演映画「幕が上がる」の上映会に出席し、思い出を語った。

 5歳から約4年間、同市で過ごし、同会館はダンスの練習や発表会などで通った思い出の地。「客席には当時は保護者の方しかいなかったけど、約10年たって、今はこうして緑の服を着て応援してくれるファンの方たちがいる。すごく不思議な感じ。人生何が起こるかわからないなと思います」。有安のイメージカラーである緑色に染めた約700人の観客を見渡しながら話した。

 委嘱式の写真撮影では、駆けつけたファンのほか、市職員ら約200人を巻き込み、同グループの「Zポーズ」を懇願。有安の掛け声を合図に全員でポーズを決めた。

 「1人だったので、やるべきか、ずっと楽屋で考えていた。自己紹介ではできたが、写真撮影の時はお偉いさんたちもたくさんいるし、あの中ではちょっとって思ったんですけど、やっちゃいました。すごく緊張した」と振り返った。

 この日午前7時から整理券の列に並び、客席前方に陣取った「モノノフ」と呼ばれるももクロファンもこれを後押しして大声援で有安のリクエストに応えた。有安は「モノノフの皆さんがついてきてくれるので、安心感だけでやらせてもらいました。ありがとうございました」と感謝した。

 富士見市に住んでいた当時から東京に通って仕事をこなしていた。父親の仕事の都合で引っ越しを検討した際には「『もうちょっと東京で仕事を続けたい』と言って、母と2人で残って小さなアパートで暮らしていた。母と頑張った思い出の街です」と振り返った。

 舞台あいさつでは、小学校の登校班が同じだった生徒の母親という女性から「運動会の時に、ひときわ目立つダンスで、すごくいい笑顔をしていました」と声を掛けられ、「あの時はお世話になりました。これからも頑張ります」と笑顔で応じた。

 PR大使として、今後も同会館を訪れる。「歌いたいです。ここは音響も良くて、顔も2階までよく見える。音楽を届けて、富士見市を盛り上げたい」と話すと、客席から大きな拍手が巻き起こった。

 同大使には有安のほか、同市にゆかりのある、気象キャスターの千種ゆり子、15年ミスユニバースジャパンファイナリストで埼玉大会グランプリの下川原利紗、ロンドンオリンピック女子レスリング金メダリストの小原日登美、インパルスの板倉俊之、プロ野球阪神タイガースの今成亮太も委嘱された。