前座16年と落語界最長前座記録を持つ落語立川流の二つ目落語家立川キウイ(43)が二つ目わずか4年で真打ちにスピード昇進することが26日、分かった。

 まさかの決定だった。90年に入門したが、3度破門され、通常は前座3~4年で二つ目に昇進するところを16年かかって07年に昇進。真打ち昇進はさらに10~12年かかるはずが、キウイが昨年11月に発売した本「万年前座」が師匠立川談志(74)を動かした。3月中旬、体調不良で療養中だった談志が退院した直後、キウイを待っていたのは「本を読んだ。よく書けている。偉い。褒美に真打ちにしてやる」の言葉だった。

 立川流では昇進は談志立ち会いの試験で決まるが、免除された。談志に「まともな芸は期待していない。落語をぶっ壊してやってみろ。求めるのはうまいやつじゃなく面白いやつ」と言われたという。先輩には「師匠はやっぱり体の具合が悪いんじゃないか」と心配する声もあったが、キウイの心配は談志の気が変わることで「取り消されないようにしたい」。現在は談志行きつけのバーでバイト中で「師匠に『真打ちになってもバーにいてくれ』と言われた。師匠お墨付きのバーテン真打ちです」。

 7月7日に談志らが出演する昇進プレ落語会を文京シビックホールで行い、昇進は来年7月の予定。「急なことだったので、お金をためないといけない。師匠に真打ちにしなければよかったと思われないように頑張ります」。キウイのまま昇進し、兄弟子の快楽亭ブラックに続く落語界2人目のカタカナ名真打ちとなる。

 [2010年3月27日8時49分

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