女優沢尻エリカ(27)が、オールヌードで挑んだ主演作「ヘルタースケルター」以来約3年ぶりに映画出演しヒロインを務めることが28日、分かった。同名人気漫画が原作の「新宿スワン」(来春公開予定)。綾野剛(32)主演。東京・歌舞伎町ではかない運命を背負う風俗嬢を演じる。

 沢尻が、再び銀幕の世界に帰ってくる。歌舞伎町の闇にのまれ、ドラッグに溺れボロボロになる風俗嬢。「ヘルタースケルター」で演じた美容整形依存症で崩壊したトップモデル役に続く、エキセントリックな役だ。メガホンを握るのは、鋭い描写でカルト的人気を誇る鬼才・園子温監督(52)。もともと原作のファンだった沢尻は「園監督の手で実写映画化されると聞き、ぜひ参加したいと思いました。風俗の世界に生きながらも、心の純真を失うことのない、けなげなキャラクターが心に刺さりました」とコメントした。

 映画「クローズ」なども製作した山本又一朗プロデューサーは「当初は違う役でオファーしたが、沢尻さんが、この風俗嬢『アゲハ』役を希望されてきた。最近のドラマやトーク番組から感じる女優業への真摯(しんし)な姿勢とともに、その熱い思いに胸を打たれている」と話した。

 日本一の繁華街、歌舞伎町のウラを描いた内容が人気の漫画が原作。今日29日公開の映画「白ゆき姫殺人事件」にも出演する、ドラマに映画に引っ張りだこの綾野が主人公のスカウトマンを演じる。原作者和久井健氏に、初対面で「(主人公)龍彦がいた…」と一目ぼれされ、決まった。綾野は、4月4日のクランクインを前に「武者震いしています。恐れず、志高く、ただただ挑みます」と役のため、金色に髪を染めた。

 共演は山田孝之、伊勢谷友介。鈴木おさむ氏脚本。狂気の演技が得意な4人が園監督のもとに集まり、危険な雰囲気漂う作品が動きだした。【瀬津真也】