縦横無尽にLA走る
LAには一代で莫大な財産を築き、その名を刻んだ大富豪が何人かいますが、その中のひとりが鉄道王として知られたヘンリー・ハンティントン氏。彼のことを知らなくても、LAに住んでいたら「ハンティントン」と言う名のものがたくさんあることは誰もが知っています。ハンティントン・ビーチ、ハンティントン・ドライブ、ハンティントン・パーク、ハンティントン・ライブラリー…。これらはすべて、彼に由来しています。

- 美しい日本庭園。池にかかる太鼓橋
ハンティントン氏は、アメリカ南部にあった有名な鉄道会社サザンパシフィック鉄道の創設者のひとり、コリス・P・ハンティントンを叔父に持ち、叔父の下で副社長になりました。その後、鉄道が発達していなかったLAに目をつけ、莫大な富を築くことになるのです。まずは、鉄道を拡張させるための会社をLAに設立し、この街に鉄道システムを拡大させていきました。今では考えられませんが、1900年初頭のLAにはハンティントン氏の作った鉄道が庶民の足として縦横無尽に走っていた時代があったのです。ハンティントン氏はその後、この周辺はまだまだ発展の見込みがあると考え、土地を買って電気やガス、水道会社など20以上の会社を立ち上げ、インフラ整備にも尽力しました。LA南部に「ハンティントン・ビーチ」と言う市がありますが、ここはLAからの鉄道のアクセスを確保するために、ハンティントン氏が都市開発にも大きく関わったことで、市に彼の名前が付けられたと言われています。

- ド~ンと構えるハンティントン・ライブラリー
蔵書800万冊
ハンティントンの名が付く中で、観光名所としても有名なのが、かつての邸宅だったハンティントン・ライブラリー。ライブラリーと言う名がついていることからも想像できるように、現在は広大な土地の中に庭園や美術館とともに図書館もあります。ここは一般に開放されており、訪れた人は美しい庭を散策したり、絵画やヨーロッパの家具など美術品を鑑賞したりすることができます。
なぜライブラリーかと言いますと、還暦を機に第一線から退いたハンティントン氏は世界中の珍しい蔵書の収集に夢中になって自宅に図書館を作ってしまったからなのです。世界一を誇るリンカーンに関する書物など貴重な価値のある本が多く、その数は800万冊以上にのぼるそうですが、残念ながら一般公開されているのはごく一部。大半は研究などに使われているのみで一般には公開されていません。

- 庭園の奥に日本家屋が建つここはまるで日本
アメリカ最古の日本庭園
また、ここを訪れたならぜひ見て欲しいのが、映画「さゆり」や「チャーリーズ・エンジェル」などハリウッド映画のロケにもたびたび使われているアメリカ最古の日本庭園。テーマ別に12もある庭園の中でも一番の人気を誇る日本庭園は、なんと1913年に結婚を予定していた婚約者へのプレゼントとして造園したのだそう。庭園を見下ろす日本屋敷には縁側や茶室、ふすまもあり、まさに日本そのもの。鯉が泳ぐ池、太鼓橋、盆栽に石庭と、LAにいるとは思えない日本の風情を感じることができます。藤棚、桜など季節を感じさせる美しい花々も咲きほこり、今では市民の憩いの場となっています。
おすすめのアフタヌーンティー

- 美しいバラが咲き乱れるローズガーデンもオススメ
もうひとつ、オススメなのがローズガーデンにある本格的なアフタヌーンティーを楽しめるティールーム。美しい庭を眺めながら優雅にお茶ができるのは広いLAでもなかなかできない体験です。個人の邸宅だったとは思えない広さと豪華さ、そして美しい庭、貴重な書物や美術品など、大富豪の生活を少しだけ体験してみるのも楽しいですよ。(ロサンゼルスから千歳香奈子。写真も)

- ローズガーデンのティールームは外観もとってもオシャレ

