マダイが各地で釣れ始めた。現在マダイダービーを展開している千葉・外房の飯岡「梅花丸」(梅花武幸船主)では、9月に入って2~5キロを固め打ちする人が目立ち始めた。
10月末までのダービー期間中、審査対象となる3匹の合計重量の数字がどこまで増えるか。神奈川・金沢八景「太田屋」でも、今月いっぱいコマセマダイを対象としたマダイダービーを初めて開催。例年この時季に型物が出ており、釣果が楽しみだ。このほか、各地の概況もお届けしよう。
■外房飯岡「梅花丸」
★順位激しく変動
ガツン! と手元にアタリが伝わる。思い切りサオをアオって針がかりさせると、マダイ独特の三段引きがサオの穂先を揺らす。このやりとりがたまらない。どんなサイズが食っているかは、海面に浮いてのお楽しみ。7月18日から始まった今回のダービーはここに来て順位が目まぐるしく変動している。
スタート初日の仕立て船で4キロ、3・3キロ、3・2キロ、乗合船で3・26キロが出たほか、翌19日4・5キロ、3・79キロ、3・26キロ、20日に3・6キロが2匹、22日に4・5キロと滑り出しは上々だった。
8月末から9月に入って大ダイ・フィーバーは加速。「審査対象となる最低限の3匹を確保した上、それを上回るサイズのマダイを追加して入れ替える人も出始めています」(梅花船主)。
★テンヤ固定式に
ダービー常連組で今月5日に5キロ以下、4・9キロ、4・1キロ、3・2キロ、2・8キロと固め打ちした前島鉄生さんは、当日最初遊動式8号と重めのテンヤを使っていた。「落下スピードが速すぎるのか、マダイが追い切れておらずアタリも来ない」と判断して「5号の固定式に替えたらハマった感じです。今季は軽いテンヤでゆっくり落とす方が有利だと思っています」と話した。
17年と21年優勝の飯島保茂さんも、「5~6号の軽めのテンヤで、フォール(落とし込み)絡みが圧倒的に強い」と言う。自身はやはり固定テンヤを使い、着底前や着底後にシャクリを入れた後のカーブフォールで釣っている。昨年優勝の森本勉さんも5~6号派。「軽めのテンヤの落とし込みで釣っています」とした。今季の特徴となりそうだ。
★お盆に8~9キロ
他の人の釣果も含めるとバラつきはあるが、全体に2~5キロ級で固まっている。早い時季だと、お盆には8~9キロが出ていた。「これから6キロ超級も出てくるのではないか」(森本さん)。
9月2日現在、梅花丸のサイトで掲示された途中経過ではトップが14・47キロ。以下13・51キロ、13・31キロと続く。「例年6キロ級を3匹そろえた人が上位争いをしています。今季は3匹そろえられたとしてもここから入れ替え次第で数字は伸びます。まだまだ楽しめそう」と梅花船主は期待している。
【梅花丸「第13回マダイダービー」ルール】
◆参加費 乗船代のほかに別途
◆審査方法 3匹の総重量審査で、1回の釣行につき最大の1匹を対象とする。4匹目からは入れ替えも可能
◆検量対象 2キロ以上
◆釣り方 ひとつテンヤ(タイラバ、メタルジグも可)
◆予選 10月18日の午後便まで。上位16人が翌週25日の午後便で行われる最終決戦に進出。優勝者を決める
■金沢八景「太田屋」でも初開催
★水深15~20メートル コマセのみ
「この時季、八景沖でデカいマダイが釣れているんですよ。せっかくだから、今月いっぱいでのダービーを初めて企画しました」。太田屋の太田一也船主が、開催意図を説明してくれた。
狙うのは水深15~20メートルの浅場。本来マゴチを狙っていた8~9メートルの浅場でも食うほどだ。それだけ浅いポイントなら、やりとりも楽だろう。
仕掛けは重80号、ハリスは4号で長さ6~8メートルの1本針。「コマセをまきすぎないことです。ドバッとまくとほかの魚が寄ってきてしまう。ポロッ、ポロッとオキアミがコマセカゴから1匹ずつ出ていくイメージでまいて仕掛けに同調させていかに食わせるかでしょう」(太田船主)。
釣り方はコマセのみ。乗船料だけで、マダイを釣ってエントリーすればいい。審査方法は1匹の重量。とにかく大きなマダイを釣れば、初代の太田屋マダイダービー王だ。
■野島「村本海事」
★タイラバ標準80グラム
太田屋と同じ東京湾でも、神奈川・野島「村本海事」はタイラバで狙う。「真夏にポツポツと出てくる良型のマダイがようやく食い始めた。今年は少し遅れ気味。酷暑だった昨年に比べると、涼しい今年は釣り人にとってはしのぎやすく、釣りやすいのではないか」と関口真一船主は話す。
タイラバは80グラムが標準。村本海事では乗船者に60~100グラムまで幅広く持参するように呼びかけている。現在狙っている釣り場所の水深が20~50メートルと幅広く、タナ(魚の遊泳層)もバラバラ。当然、タックルも違ってくる。
水深20メートル前後の場合、スピニングリールでチョイ投げして、カーブフォールさせながら広めに探るといい。50メートルほどの深場の場合はベイトリールで真下に「垂直落下」させる。いずれも着底したら、一定のペースで巻き上げて誘う。アタリが出てもアワせないのが、テンヤやコマセとの違い。そのまま獲物が針に掛かる重みを感じながら、サオのしなりを生かして巻いてくる。
型狙いは例年だと今月いっぱい。「10月に入って小型の数釣りに移っていくのではないか」と関口船主はみている。
■静岡・久料「魚磯丸」
★コマセビシ80号
「いくらかマダイの気配が出てきました。今年はちょっと早いんじゃないかな」。静岡・久料「魚磯丸」の久保田清船長は声を弾ませる。春の乗っ込みシーズンは、冬場に寒波の襲来が多かったせいもあって1カ月半ほど遅れた。そのまま押すかと思いきや、ボチボチ食いが立ち始めている。
酷暑だと28~29度にもなりそうだった潮温は、今季雨模様で25~26度。「10月に入って22~23度で推移すれば、マダイの適温になって活性化しそう」と分析。10月半ばから大ダイのピークを迎えそうだ。
魚磯丸ではコマセビシは80号、Lタイプ。ハリス4号で長さ10メートルが基本。サバが多くてオマツリが続出するようなら、5号6メートルにする。
同じ駿河湾の興津「大和丸」(大多和勝己船長)では数釣りのマダイ五目が楽しめる。こちらはアジやイナダ、ワラサなどが交じる。特にアジは40センチを超える大型が食うこともある。これなら刺し身、タタキ、なめろうなどにしてもうまい。立派なお土産になる。
■鹿島「第三幸栄丸」
★数釣り主体10匹
茨城・鹿島「第三幸栄丸」の荒原康宏船長によると、「飯岡で釣れ始めると鹿島の方まで流れてきそう」という。現在、鹿島沖では数釣り主体で、今月に入って小ダイから1キロ級まで10匹も釣った人がいた。「数が伸びる中で、ポイントが変わって型物が入るようになります」と説明する。水深30メートル前後が狙い目で、テンヤは5~10号。指示ダナや潮の流れによって使い分ける。
■毘沙門「新店丸」
★マダイゲスト ワラサ主体
神奈川・毘沙門「新店丸」(鈴木誠一船長)では現在3~4キロ級のワラサを主体に狙っている。脂が乗っており、刺し身だけではなくブリしゃぶ、照り焼きなどにしてもうまい。この時季、こちらの方が釣れ盛り、マダイがゲストとして食ってくるという。ハリスは6~8号で長さ6メートル。大物が食った時に備えて、マダイ釣りの時よりも太めになっている。重80号でコマセカゴはLまで。鈴木船長は「ワラサの状況次第で、マダイへとシフトしていきます」としている。









