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過信は命取り、ライフジャケット着用を

ライフジャケットを着用していると楽に浮いていられる
ライフジャケットを着用していると楽に浮いていられる

<ビギナー記者 釣戦!!>

 過信は命取り-。今回、ビギナー記者は第3管区海上保安本部・横浜海上防災基地で行われた「命を守るライフジャケット着用体験会」に参加してきました。釣りはビギナーのへなちょこでも、泳ぎに関しては元インストラクターだったという自信がありました。しかし、服を着た状態では勝手が違う。ライフジャケットなしでは、風速15メートル、波高60センチの仮想シケの前に全くの無力でした。

 自分だけはおぼれることはないだろう-。泳げる人ほど過信し、ライフジャケットを着用しないケースが多いようだ。不意の事故に着用していたか、いなかったかは命にかかわる重要な分かれ目。今回の体験会に参加して再確認した。

 「横浜に行って、おぼれてこい」。釣り担当の先輩、「はせ忠」こと長瀬川記者から有無を言わせない強権発動で体験取材が決まった。この連載では、毎回難しい釣りモノに挑戦させ、苦労した報告を聞いてほくそ笑んでいる。今回も新しい指令を出して、早くも満足げな表情。だが、こちらは元インストラクター。「釣りは初心者でも、泳ぎはまかせとけ」と内心思っていた。

 水深2・5メートル、水温28度のプールに、まずはライフジャケットなしで入水した。服が重くなり、自由が奪われる。でも、この段階では〈浮き身〉の体勢もOK、波高30センチ、風速15メートルの状態で1分間浮くという試練もクリアできた。ここまでは意味のない自信によって余裕を保っていた。

 この過信は次の段階でへし折られた。わずか30センチアップの波高60センチ、実際の海でいえば普通の波に近い。そんな軽いシケ状態で、おぼれた…。最初の1分は何とか耐えたが、水をガブッと飲んだ瞬間、パニックに陥った。顔が沈み、視界が閉ざされると、さらに強い恐怖感に包まれる。手足をバタバタしても顔が水面に出ない。くっ、くるしい。そばで待機していた潜水士に助けてもらわなければ、そのまま…。

 ちょっと大げさ? ではあるが、そんな恐怖を味わった後のライフジャケット着用体験。体力を使わずに浮いていられることの安心感はこの上ない。とにかく浮いていられれば、あとは救助を待てるのだ。ただ、長時間水に漬かっていると熱が奪われるので、両手で両足を抱え込む「HELP(Heat Escape Lessening Posture=熱放出低減姿勢)」の姿勢を取ることも大切だ。

 60代、30代、50代の順にライフジャケット未着用の人が多いというデータがある。経験豊富な釣り人ほど、事故の際は死亡・行方不明になるケースが多いそうだ。釣りはベテランであっても、落水事故の経験豊富な人はいない。誰もがビギナーである。大切な命を守るために、ライフジャケット着用を! 海上保安庁とともに、ビギナー記者からもお願いします。【飯塚誠】

 【命を守る3つのポイント】 海上保安庁では、釣りを楽しみ、自分の命を守るための3つの基本を掲げている。

 (1)〈ライフジャケットの常時着用〉 救助されるためには水に浮いていることが重要。

 (2)〈連絡手段の確保〉 海に浮いたら次は救助機関へ通報・要請。防水パックを使用した携帯電話を携行。

 (3)〈海のもしもは118番〉 救助要請は局番なしの118番(無料)を!

 ※第3管区海上保安本部HP〈http://www.kaiho.mlit.go.jp/03kanku/〉

 [2008年11月15日13時40分 紙面から]


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