日本のエースが、悲願の金メダルを獲得した。女子500メートルで小平奈緒(31=相沢病院)が36秒94のオリンピック(五輪)記録で優勝した。日本人で同種目を制したのは98年長野五輪の清水宏保以来2人目で女子初の快挙。
わずか数ミリのずれで転倒や、タイムロスにつながるスピードスケート。技術を突き詰め、最速を極めた小平にしか分からない世界の中で戦ってきた。女王が残してきた「言葉」から、その滑りに迫る。
◆「ブレードとの友情が深まってきた」新しく取り入れたブレードの感触を聞かれて。「初対面から気が合った。自分の思いに応えてくれる。最初に履いた時、これで少し遊びたいなと思った」。
◆「血液を鍛えたい」 夏場の高地トレーニングのテーマを聞かれて、一言。
◆「絵みたいな感じ」 レースでの集中力の高め方を表現。「しっかり輪郭をかいた絵に少し水をたらすような。後からぼかすというか…」。
◆「ブランコに乗っている感覚」 好調時の気持ちを例えた。「1回こぎ始めたらずっとこぎたくなる。そういう感じでした」。
◆「透明の筒です」レース前の気持ちの保ち方を聞かれて。「周りが見えない筒ではなく、周りは見えているけど、透明の筒で見て、自分のやるべきことだけに集中する」。
◆「スケートが自分の足になってくる。さらに言えば、氷が自分の足になってくるような感じです」 今季W杯初戦で好記録を出した直後、滑りの感覚を言葉にした。