1500メートルで銀メダル、1000メートルで銅メダルを獲得したエース高木美帆(23=日体大助手)が、まさかのスタートミスを帳消しにした。高木美、高木菜那(25=日本電産サンキョー)、佐藤綾乃(21=高崎健康福祉大)で臨んだ日本は2分56秒08で8チーム中2位となり、上位4チームによる準決勝へ進んだ。

 佐藤がスタートから2、3歩目でタイミングを崩した。「待って」と声を出すと、先頭の高木が後ろを向く。致命的なミスで、1周目は出遅れが、日本は抜群の連係を見せ、抵抗の少ない滑りで、トップだったオランダとのタイム差を縮めた。一時は2秒以上の差だったが、最後は0秒47差でゴール。スタートのミスがなければ、トップ通過の可能性が高かった。

 レース後、佐藤は「出だしはわたしのミス。2、3歩目で、大きく空回り。足(の力)が抜けてしまった」と反省。高木美は「スタート(のミス)だけに気を取られず、他に何ができるかと考えた」と話した。

 今季W杯は3戦全勝。すべて世界記録を更新している。だが、この日のようなハプニングもある。高木美は「気を緩めない。余裕を持てる位置関係ではない。気を引き締めて準決勝に挑みたい」と自らを戒めるように言った。