【金子真仁・富津編】あすなろ佐々木朗希の激レアブルペン お尻には…/連載〈12〉

旅が好きです。日本の全市区町村の97・3%を踏破済みです。その遍歴は球界関係者に興奮されたり、どん引きされたり。かけ算の世の中、野球×旅。お気楽に不定期で旅します。題して「野球と旅をこじつける」。第12回は千葉・房総半島の小さな球場へ―。

プロ野球

アクアライン渋滞を横目に

東京湾アクアラインの渋滞が早くも始まった。そんな表示が館山自動車道に出される土曜、午後2時。房総半島の観光やゴルフを楽しんだ人々が家路へと快走する高架下をくぐれば、私の寄り道場所がある。

車をとめ、少しばかりのスロープを足早に上がる。広がる景色に…何と書けばいいんだろう、「しみじみする」が一番しっくりくるんだろうか。

千葉県富津市、浅間山運動公園野球場。18年に野球取材に戻ってから5年少々、ここより思い出深い球場がなかなか浮かばない。

なんて言いつつ、浅間山は「あさまやま」だと思っていた。正式には「せんげんやま」と読むらしい。初めて訪れたのは19年3月28日。当時の岩手・大船渡高校のエースがここで投げた。ロッテ佐々木朗希投手(22)である。

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。