西武の1番中堅を張るために 西川愛也が愛斗からもらったシンプル金言/連載〈49〉

ペナントレースが開幕します。西武の西川愛也外野手(24)にとって、今季は間違いなく勝負の1年。レギュラーに定着するか、はたまた競争に敗れるか。花咲徳栄(埼玉)時代に甲子園優勝をなしとげ、ファンも多いスター候補。軽やかに見える彼の胸の内を、さらっと聞いてみました。

プロ野球

◆西川愛也(にしかわ・まなや)1999年(平11)6月10日、大阪府生まれ。小学2年から野球を始め、中学時代は浜寺ボーイズ所属。花咲徳栄では1年秋からベンチ入り。甲子園に3度出場し、3年夏は優勝に貢献。17年ドラフト2位で西武入団。20年8月16日楽天戦でプロ初出場。23年8月22日オリックス戦でプロ初本塁打を放った。プロ通算91試合で打率1割5分2厘、1本塁打、12打点。181センチ、87キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸1100万円。

「今年しかない」

西武の南郷キャンプには第4クールだけおじゃました。傘をたたんで室内練習場に入ると、西川と蛭間拓哉外野手(23)がちょうど並んでのティー打撃を終えたところだった。

「金子さん、埼玉大会決勝、見ましたか?」

浦和学院OBの蛭間が笑う。数日前、球団公式SNSに2人の打撃対決がアップされていた。17年夏は両校が決勝で直接対決し、3年生の西川が甲子園の切符をつかんでいる。

そんな西川にレンズを向けると、なぜかバットをかついでモデルっぽく立って、カメラ目線をしてくる。投手陣が「JUNON」デビューを果たしたが、それが悔しくて次回登場でも狙っているのだろうか。

今風に言えば〝チョケてる〟一面がある。軽くはないけれど、軽やかに見える。周りもそう接するけれど、けっこう真面目なことも皆が知っている。だから初球からインハイへ。

「7年目、23歳…あとはもう、結果を出すだけの年齢になりましたね」

真顔になる。

「そうですね。まぁ、やっぱ、レギュラー取るのは今年しかないと思ってます。もう、試合に出続ける選手にならないといけないと思っています」

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。