浦和快勝、ミランと戦える/クラブW杯
- 前半、先制ゴールを決め、絶叫しながら駆け出すFW永井(撮影・栗山尚久)
<クラブW杯:浦和3-1セパハン(イラン)>◇10日◇豊田◇準々決勝
ACミランとガチンコ勝負だ!! 浦和が日本勢初の歴史的勝利で欧州王者への挑戦権をもぎ取った。クラブW杯準々決勝で、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝以来となるセパハン(イラン)と3度目の激突。FW永井雄一郎(28)FWワシントン(32)のアベック弾などJリーグ終盤の失速&V逸を払しょくする3-1の快勝劇で、アジア王者の貫録を見せつけた。13日の準決勝はACミラン(イタリア)との真剣勝負。世界舞台の夢対決で、浦和が本気モードの強豪にキバをむく。
胸を張って歴史的初勝利を告げるホイッスルを耳にした。セパハン撃破を当然と言わんばかりに浦和イレブンは余裕のハイタッチで喜びを表現。「久々に良かった。この(最近)10試合で一番、いい出来。こういう試合ができるんだとみんなに(プレーで)言えた」と闘莉王。ゴール裏にはためく浦和サポーターの大型フラッグに迎えられながら、誰もが早くも準決勝に気持ちを切り替えた。
中2日の13日、待望のACミラン戦となる。セパハン突破で初めて手にできる挑戦権をゲット。堂々と欧州王者との真剣勝負を宣言できる立場。キャプテンマークを巻いたMF鈴木は「相手は世界最高のチーム」と笑顔を見せ、1アシストをマークしたMF相馬は「こんなのないっしょ。次はミランとガチンコ勝負」とほおを緩めた。冷徹なオジェック監督も「挑戦だけでなく、責任のある試合」と興奮を抑え切れなかった。
開幕前からACミランの動向はチェックしていた。異例とも言える7日前の来日に、すぐさま闘莉王が反応。「ミランは相当、本気だね。(選手の)名前を言ったらキリがないけどサッカーは名前じゃない」と本気モードの強豪との対決に思いをはせていた。
今年の年間最優秀選手(バロンドール)に輝いたカカとの直接対決を控え「オレらは失うものは何もない。カカ? 対決となれば仕事をやるだけ」とニヤリ。幼少時代、生まれ故郷ブラジルでトヨタ杯の放送にくぎ付けだった。ライーらが活躍する姿にワクワクしていた闘将が「一生に1回経験できるかの舞台」と童心に帰ったかのように胸を躍らせた。
1週間で立ち直った。ポンテが右ひざ故障で長期離脱し、故障を抱える山田、平川、小野も先発できない状況。苦しい台所事情だが、オフに数選手による夕食会で結束を深めた。今月5日から3日連続の紅白戦で連係面も再確認した。長谷部は「アジア王者の誇りはあるし、その責任があった」と口にした。天皇杯を含めて4戦連続無得点だったが、失速&V逸の長く暗いトンネルを抜けると、ACミラン戦の夢舞台が広がっていた。
GK都築は「(ミランに)勝ちにいく」と言えば、途中出場の小野も「かなり相手はすごい。でも良い結果を必ず出したい」と、本気モードのビッグクラブに負けるつもりは毛頭ない。世界にアピールする。日本のビッグクラブの意地をみせる。【藤中栄二】
[2007年12月11日9時32分 紙面から]
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