<男子ゴルフ:ミリオンヤード杯日韓対抗戦>◇初日◇29日◇長崎・パサージュ琴海アイランドGC(7066ヤード、パー71)◇フォアサム・ストロークプレー

 石川遼(20=パナソニック)が屈辱の逆転負けを喫した。ひとつの球を交互に打つフォアサムで深堀圭一郎(43)とコンビを組み、金度勲(23)姜庚男(29)組と対決。7番まで3打リードも、6連続バーディーを奪った韓国ペアの猛反撃に遭い、石川も11番の第1打をOBしてスコアを崩し、70-66で敗れた。日本チームも1勝4敗で韓国にリードを許し、青木功主将(69)からは巻き返し指令で気合を注入された。

 悔しすぎる黒星に、石川の顔がこわばった。「悪いゴルフじゃなかったと思うけど、前半から後半に入るところで相手とは正反対の内容になってしまった」。日本の若きエースとしてポイントを奪えなかった責任が、ズシリと心にのしかかった。

 中盤で一気に流れを失った。この日は、ひとつの球を交互に打つため、難しいと言われるフォアサム方式。7番までは大先輩の深堀とのコンビで1アンダーで回り、韓国ペアを3打リードした。しかし、8番から空気が一変。怒とうの6連続バーディーを奪った相手とは対照的に、10番では深堀がロングパットを寄せきれずボギーをたたき、石川も11番で第1打を左にOBしてダブルボギー。屈辱の逆転負けを喫した。

 石川組だけではなく、日本はホームの地の利がありながら、1勝4敗と苦しいスタート。負けた4組中、谷原・高山組以外はすべて序盤のリードを守れなかった。想定外の結果に、頭に血が上ったのが青木主将だ。公式会見では「負けたので、ここに来るのをよそうと思ったくらいだよ」と険しい顔。そして、選手全員に巻き返しを促す“喝”をいれたことを明かした。

 「負けた組のうち3組くらいは、メンバーを代えてほしそうな顔をしてたけど『お前らプロだろ。プロなら負けたなりに、プロらしくやれ』と言った」

 今日2日目は2人のうち良い方のスコアを採用するフォアボール方式だが、石川組など3組は初日と同コンビ。「池田は藤本と組みたがったけど『ダメだ』と言った。本人たちのリベンジのつもりで組ませた。これで負けたらオレのせい。やってくれるだろう」と青木。その期待に応えるべく、石川も気持ちを切り替えた。「まだ始まったばかり。明日はしっかり粘っていきたい」。隣国の宿敵撃破へ、落ち込んでいる時間はない。【木村有三】

 ◆遼と日韓戦

 3年連続3度目の出場。個人通算成績はフォアサム1勝2敗、フォアボール2敗、シングルス1勝1敗。昨年までのフォアサム、フォアボールでは杉並学院高の2年先輩、薗田峻輔とコンビを組んでいた。